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冬の季語「冬麗(とうれい・ふゆうらら)」(季節を味わう#0140)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【冬麗(とうれい・ふゆうらら)】

「冬麗」は冬の季語です。
穏やかに晴れ渡り、冬なのに春の「麗か」を思わせるような明るく、あたたかな日和を指す季語です。空気は澄み、陽光がやわらかく降りそそぐ──そんな、ほっとするような様子を表す言葉です。
よく似たニュアンスの言葉として「小春日和」がありますが、「小春日和」は晩秋から初冬にかけて、まだ本格的に冬になっていない時期の春のような陽気を指します。さだまさしさん作詞作曲の『秋桜』の情景ですね。
一方「冬麗」は初冬を過ぎた本格的な冬に使われる言葉です。

冬麗富士の頂むらさきに  安食彰彦(あじき あきひこ)

穏やかな冬の日、富士山の山頂が紫がかって見える様子を詠んだ句です。
山の頂が紫がかって見えたのは早朝のことでしょうか。
冬特有の澄んだ空気と光の角度や気温の兼ね合いにより、富士山頂が紫色に見えるのはほんのわずかな時間のはず。その一瞬を目撃し、富士山の気高さや静寂さを感じたことでしょう。

この句には、「冬麗」のやわらかい日和、富士山の雄大さ、高貴な紫色という三つの要素が組み合わされています。
自然が見せてくれた、ほんの一瞬の奇跡のような美しさを閉じ込めた俳句だと思いました。。

(2025年12月10日)

「季節を味わう」は大阪府箕面市のラジオ局 みのおエフエムの毎週水曜日午前11:30と午後8:40から放送しています。
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