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久々に映画『櫻の園』を見たら、台詞の記憶が鮮明だった話


 先日、アマプラで久々に『櫻の園』を観た。率直に言って、傑作だ。まだ若い俳優陣たちの演技も素晴らしかったが、フィルムによる映像も質感がよくて素晴らしかった。

 しかし、久々に観たのがどのぐらい久々かというと、映画公開は1990年らしい。劇場で観ていないので完全なリアルタイムではないが、それに近い時期にビデオかなんかで観たはずで、そうすると、かれこれ30年以上の久々になる! すごい! びっくりした!
 いや、何がびっくりかというと、そんなに久々なのに、この映画を観ている最中、台詞の多くをそらで覚えていたのである。マジか! なぜだ? なんでこんなに台詞がスムーズに入って来るのだろう。若干、気持ち悪い。

 いや、話の展開自体はあまり覚えていなくて、それゆえ楽しく観られたのだが、台詞を言われると、そうそうそう!これこれこれ!みたいな台詞のオンパレードで謎の感情が押し寄せてきた。
 これは懐かしさというより、このシーンにはこの台詞がくるに違いないというある種の昂揚感みたいなものだ。役者が言葉を発した瞬間に「きたー!」みたいな謎の感情が去来した。
 演劇の映画だから台詞にこだわって作っているのは間違いないだろうが、それにしても台詞を発した時の「これだー!」という感情があまりにも強い。一体、私は過去にこの映画を何回観ているのだろうか?

 いや、記憶の中では一回だけなのだが、しかし、それを全集中で観てこうなっているというより、体感的におそらく実際は何度も観たんだろうと思われる感覚だ。それぐらい台詞を覚えている。
 という事は、おそらくテレビ放送をビデオで録画して観ていたかなんかのはずで、うーん、思い返すと、若干そんな気もしないでもないが記憶は朧げだ。全ての記憶が不確かなので真実は謎のまま。にも関わらず、台詞は明瞭というのが何とも不思議な感覚である。
 あと、あの役者たちの声。あの上手いんだか自然なんだかよく分からない時代の記憶を呼び覚ます演技が余計に記憶を呼び覚ますのかもしれない。まあ、何にせよ、若い頃の記憶力は凄まじいものだ。

 ちなみに私はその後『櫻の園』を撮った中原俊監督の『Lie lie Lie』を劇場に観に行っている。なので、当時の私が中原俊監督に思い入れがあったのは間違いないが、これもそもそも同監督の『十二人の優しい日本人』の方が当時の私のベスト映画だったので『櫻の園』にそんなに思い入れあったかは定かではない。しかし、あったような気もしないでもない。

 あと、話ついでに『Lie lie Lie』。この映画、話はあまり覚えていないのだが、確かこの中でインスタントコーヒーの美味しい淹れ方とかあって、そのシーンを事あるごとによく思い出す事がある。記憶を辿るとおそらく何回かに分けて淹れると美味いとかそんな話だが、現在、この映画、配信もなく視聴困難なので、そのシーンが本当にこの映画のものだったかどうかハッキリしない。どうだったんだろうか? 稀にリバイバル上映があるようだが、いまだに劇場のリアルタイムの一回しか見ていないので、流石に記憶が朧げである。これも見返したら「これこれこれ!」となるのかもしれない。いつか見返してみたいものだ(ちなみに記憶違ってインスタントコーヒーのシーン自体、なかったらすいません。確認できない!)


※カバー画像は、何となくのイメージでサラッと描いたイラストです。


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