追加工事の「口頭合意」はどこまで有効か — 外壁塗装トラブル事例から考える

外壁塗装の工事中に「ここも傷んでいるので追加で直しましょう」と口頭で提案を受け、後日その分の請求が来て驚いたという相談を、これまで数多く伺ってきました。今回は、こうした「口頭合意」がどこまで有効なのか、施主様が知っておきたいポイントを整理します。

民法上、口頭でのやり取りも契約として成立し得るとされています。ただし、後になって「言った・言わない」の水掛け論になりやすく、金額や工事内容の食い違いがトラブルに発展するケースが少なくありません。特に追加工事は当初の見積もりに含まれていないため、金額の妥当性を判断する材料が施主側に乏しいという事情もあります。

トラブルを避けるために意識したいのは、追加工事の提案を受けた時点で「一度持ち帰って検討します」と伝える姿勢です。その場で即答を求められても、まずは書面やメールで内容と金額を提示してもらうよう依頼してみてください。信頼できる業者であれば、追加工事についても丁寧に説明し、書面での確認に応じてくれるはずです。

また、契約書や見積書に「追加工事が発生する場合は事前に書面で合意する」旨の一文が入っているかどうかも、契約前に確認しておきたいポイントです。工事が始まってからでは交渉力が弱くなりやすいため、契約段階でのひと手間が後々の安心につながります。

口頭でのやり取りがすべて無効というわけではありませんが、金額が動く場面ほど「書面に残す」という基本を大切にしていただければと思います。

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