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学芸員の時間外労働についてズバリ語る

ひじょーに思いあぐねている話をします。

そもそも私は学芸員以外の働き方を知らないので、これから話す内容が世間一般の認識からずれていること、非常識なことなのかもという不安があります。
なので「うちの業界でもそんなもんだよー」とか「それは考え方をアップデートした方がいい」とかご意見あれば、コメントでもXへのポストでもいいのでお寄せください。

何の話かというと「業務時間外の仕事は絶対悪なのか否か」です。

先に私の考えを述べると「自分の価値を高めるためには業務時間外の仕事は必要不可欠」です。

これまでも散々語ってきましたが、学芸員が現実的にやらなければならない業務としては、

  • 調査研究

  • 原稿執筆

  • 書類作成

  • 対外交渉

  • 会議

  • 展示作業

  • 作品輸送

などなど様々なものがあります。机に向かう頭脳労働もあれば、体を動かす肉体労働もあるって感じですね。

で問題なのは「調査研究」「原稿執筆」このあたりです。それ以外の業務は、淡々とやるしかないものですが、この2つは何というか、どこまでが仕事の範疇なのか線引きがとても難しいものだと言えます。

私が悩んでいるのは、若手学芸員たちに対して、この2つの仕事に関して業務時間を飛び越えてやるべきと言うか言わないかです。
こんなことを言った瞬間に「仕事なんだから業務時間内でやるのが当然だろ!」「時間外でやれというなら残業代とか手当とかつけるべし!」「やりがい搾取!」「ブラック!」と叩かれそうですが、まぁもうちょっと聞いてください。

学芸員の仕事は多岐にわたるので、1つ1つのタスクをこなしているうちに1日の業務が終了していきます。しかし本来「調査研究」「原稿執筆」はじっくり時間をかけないとできないものです。
「調査研究」と一口に言っても、作品調査もあれば文献調査もあります。よその展覧会を観るのも広い意味では研究の一環ですし、関連する分野の本だって読まなくてはいけません。
「原稿執筆」だって、展覧会図録のテキスト、展示の作品解説、年報紀要にのせる論文、外部のメディアに寄稿する原稿、その他諸々あります。記名原稿もあれば、無記名原稿もあります。外部に対する原稿であれば、無償で書く場合と原稿料をもらう場合があります。
さて、これらをすべて業務の範疇ととらえて、すべて業務時間内にやるべきでしょうか。

理想を言えば、もちろん「やるべき」です。私もそう思います。

しかし残念ながら時間は有限。先ほど言ったように、必要な業務(書類を作ったり、色々と打ち合わせをしたり)をこなしていると、なかなかまとまった時間は確保できません。
残り時間だけで調べ物をして、原稿を書こうとすると、そのクオリティは推して知るべし。平均点以上のいいものはまずできません。

とは言え、図書館で調べ物をする時間、関連する書籍や論文を読む時間、原稿を書くすべての時間を残業代カウントするなんて現実的には不可能です。天文学的な数字になりますし(おおげさ……)、自己申告でどこまでも風呂敷を広げることができてしまうからです。

私が新人の頃は、仕事中にパソコンに向かってカタカタ論文を書いていたりすると、上司から「そんなことは家でやれ」「所蔵品を調査するとか家でできないことを時間中はやれ」と言われ、まぁそーゆーものかと思っていました。
でも私だって、時代の空気が読めないわけではないので、いまは若手に対してプライベートの時間を使って仕事しろ、なんて口が裂けても言いません。

当たり前なんですけど、言わないとほんとにやらないわけです(笑)。業務時間外は。

すると、どうなるかと言えば、まぁ可も無く不可も無くレベルの業績が重ねられていくことになります。若手だった頃の自分と比べても、明らかに優秀な人材なのにです。それがもったいないなーと思ってしまうのは、間違っているでしょうか。

私の指導力不足という面は多分にあるのですが、決められた時間内でできる範囲でやるという仕事だと、学芸員を専門職として見た場合、外部からも評価される、一目置かれるようなレベルの仕事がいつまで経ってもできないことになり、それって廻り巡って本人のキャリアアップにつながらない、という結果になってしまいます。

同じ若手でも、自分の時間を使ってより良い仕事をしようとする者も当然います。そうなるとどうしたって成長速度が変わってきますよね。

でも、この考え方自体が成り上がり思考なのかな?
別にいまの職場で現状維持の仕事ができて、おまんまが食べられればそれでいいのかな?好きなことで仕事ができて、それだけで幸せなのかもしれません。
だとすれば、それ以上なにかを言うべきではないのかな、とも思ってしまうわけです。

私のモヤモヤが少しは伝わったでしょうか。まだ言語化できていないところがある気がするので、また続きを書くかもしれません。