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展覧会ができるまで(美術館の舞台裏)vol.17 いよいよ開幕

美術館で展覧会が開催されるまでの工程を、学芸員の立場からひとつひとつ解説していくコーナーです。工程を細かく切り出していたら、大長編になってしまいました。でもあとちょっとです。

前回の記事(↓)

全工程はこちら(↓)をご覧ください。

27. 内覧会を行う

展示室に一通り作品が並び、キャプションやパネルもしかるべき位置に設置され、照明もビシッと決まりました。さぁいよいよ開幕です。

と、その前に。

多くの美術館で、開幕日の前日に行われるのが内覧会です。

以前にも取り上げたことがあるので、おさらいになりますが。

「内覧」と聞くと、一般の方は「マンションの内覧」という不動産用語の方を連想するかもしれませんね。

美術館が行う内覧会とは、展覧会をプレ公開するイベントです。
展覧会は土曜日に開幕するパターンが多いので、内覧会は金曜日によく行われます。

この内覧会の目的は二つあります。

一つ目はなんといっても広報のため。
ですので、メディア関係者(新聞記者、雑誌編集者、ウェブライターなど)を招待します。
内覧会に限っては展示室内の撮影を許可して、自由に撮影してもらい、あわよくば各メディアで紹介してもらおうという魂胆です。
展覧会を担当した学芸員が企画説明を行ったりもします。
つきあいのある大学の研究者や他館の学芸員なども招待して、口コミでの拡散も期待します。

二つ目の目的は、展覧会協力者への感謝です。
共催や後援に入っている企業にも内覧会の招待状を送ります。「ご協力のおかげでこんな立派な展覧会が開催できました!」とお披露目するわけです。
展覧会に貴重な作品を貸し出してくれた美術館などにも、もちろん招待状を送ります。

内覧会のやり方に決まりはありません。
プレスも関係者もまとめて自由に見てもらうやり方もあれば、プレスの部と関係者の部で時間帯を分けて行うやり方もあります。
おみやげに展覧会図録を進呈することが多いですね。

大型企画展となると、仰々しく開会式を行い、館長や共催企業の社長などがそろってテープカット、みたいなこともやります。
一昔前は内覧会の別会場で軽い飲食やアルコール類が提供されることもありましたが、最近はこういうのは滅多に見かけなくなりましたね。

もう一つ付け加えるなら、内覧会は関係者同士の社交場、情報交換の場ともなります。
狭い業界ですから、会場のあちこちで顔見知り同士の美術談義が行われるのが常です。こういうところでまた次の企画のタネが生まれることも。

展覧会担当学芸員は、会場をうろうろしながら、関係者たちの接待をします。

28. 展覧会開幕

そして、いよいよ開幕日となります。
ここまで来ると、もう学芸員が特にすることはありません。

あ、開幕当日の開館前、または前日に行う大事なことがありました。
それは受付や監視スタッフへの展覧会内容の説明と注意点の共有です。

いざ、展覧会がオープンしたら来館者から色々と直接質問されるのは彼らですから、その時にとまどわないように展覧会のポイントを理解してもらう必要があるのです。今回の展覧会は撮影可か不可か、受付で渡す資料などはあるか、なども確認しておきます。

まぁ、どこまで準備しても想定外のことは起きるので、対応しきれない場合は学芸員につないでもらうしかないのですが。

いざ、オープンしてお客さんが展示室に入ってきます。
どんな反応を見せるのか、やはり気になりますね。
巡回する体で、それとなく展示室をウロウロしてみたり(笑)。

いずれにしてもこうして無事開幕となれば、担当学芸員としては一区切りついたことになります。

つづく>>


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