モナリザケーキ事件が突きつける美術館の無力さ [それでも展示は続くのだ]
ショッキングな事件がありましたね。
ルーブル美術館の《モナ・リザ》に、来館者の男がいきなりケーキを投げつけたのです。一部始終をうつした動画が拡散されています(もう消えた)。なんちゅーことを(怒)。
《モナ・リザ》は、防護ガラスでカバーされているので、幸い作品そのものにダメージが残ることはありませんでした。ガラスをきれいに拭いて終了です。
もし、作品本体にケーキがぶつけられていたら?
まず物理的な衝撃によるダメージがありますし、ケーキ(というかクリーム)には油分も水分もあるので、それが染み込むと修復はめんどうなことになったでしょう。
この世に一点しかない。
レオナルド・ダ・ヴィンチの貴重な作品である。
500年以上の時を超えて、今に伝わっている歴史の重み。
そういったことを考えると、その尊さに身震いし、これをしっかりと後世にも残していかなければ、と思いそうなものですが、誰もがそう思うなら文化財の破壊など起こりません。
ですが、実際には日本の廃仏毀釈しかり、バーミヤンの石仏破壊しかり、いつの時代も歴史があるからこそ、価値があるからこそ、それを破壊しようとする者があらわれます。
いや、話を広げすぎました。美術館に話を戻しましょう。
展示にあたって、作品の安全を守ることはとても重要です。
だから地震がきても大丈夫なよう、落下や転倒防止の固定をします。
インクなどがつかないように、来館者にはメモは鉛筆を使うようお願いします。
作品に近づきすぎないように結界ロープを張ります。
もちろん監視員や防犯カメラで見守ってもいます。
でも、これはどれも不慮の事故や軽率なミスを未然に防ぐための方策です。
今回のルーブル美術館のように、悪意ある確信犯が現れたらなすすべがありません。
うっかりなどではなく、意図的に作品を傷つけようとされたら、それは一瞬の出来事でしょう。その場に監視員がいたとしても制止は間に合いません(そして監視員は、屈強なガードマンなどではなく女性スタッフである場合が多いです)。
無力だなぁ。
しかし、です。
ルーブル美術館に行くと分かりますが、《モナ・リザ》以外の作品はほとんどガラスケースではなく、壁に直接掛けられていて、誰でも間近で鑑賞できるようになっています。
今回のような事件があったからといって、ルーブルの展示方法はおそらく変わらないでしょう。今日も明日も貴重な作品を堂々と展示しているはずです(多分)。
日々1万人を越える(今はもっと少ないかな)人々の感動する権利を、たった1人の悪意で奪わせない。そんな決意は見習うべきだなと感じます。
日本だったらこんな事件があったら、「作品はすべてガラスケース内に展示すること!」なんてことに、すぐなりそうじゃないですか?
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