学芸員実習アナザーサイド
大学の前期が始まり、忙しくなりました。途端にnoteの更新頻度が落ちるというわかりやすさ(笑)。
大学では色々な講義やゼミを受け持っていますが、今年から学芸員資格取得に必要な博物館実習も担当するようになりました。ドキドキです。
博物館実習というのは、大学で行う実習授業形式の「学内実習」と、学外の博物館で行う「館園実習」の2つがあり、両方を履修しなくては学芸員資格が取れません。館園実習が教員免許で言うところの教育実習にあたります。教育実習に比べれば、期間は短いですけどね(おおむね5日間程度)。
さて、今までは学芸員として実習生たちを受け入れる側でした。そして今度は送り出す側です。両方を経験するなんてなかなかできないことなので、ちょっと感慨深いですね。
振り返れば、このnoteで受け入れる側の話は何度か書いてきました。
こんな具合に、受け入れる美術館側の気持ちや事情が分かっているからこそ、その前段階の学内実習は気合いが入ります。
実習生を受け入れてくれた美術館・博物館に「なんじゃ、今回の学生は!?」と思われないところまで仕上げた上で送り出す。これが学内実習の目標です。
館によっては前期の授業期間に実習を実施するところもありますが、多くの場合、大学の夏休みにあたる8月頃に実施されます。なので前期の学内実習で基本を身につけて、夏に現場で実践という流れになります。
とは言え、学芸員として求められるスキルなんて正直一朝一夕では身につかないことは自分が一番よくわかっています。目と手で覚えることが多く、それは経験を積むことでしか身につきません。
それに館によって、必要となるスキルは全然違います。単純に言えば、考古学系の館、古美術系の館、西洋美術系の館、現代アート系の館では扱うモノが全く違いますからね。
だから、学内実習では一通り作品の扱い方や梱包の仕方、展示の仕方など教えますが、それよりも心得というか心構えを身につけてもらう方が大事かなと思っています。
正直な話、受け入れる美術館・博物館側は、これと言ったメリットがありません。受け入れたからと言ってお金がもらえるわけではありませんし(実習費を徴収するところも稀にあるようですが、それも実費程度でしょう)、日常業務で忙殺される中で1週間ほど時間を作って受け入れ対応するのって、かなり負担が大きいです。それでも、未来の学芸員(に実際になる人はごくわずかですが)のために、無理やり時間を割いて受け入れを行っているのです。
そんな事情は重々承知しているので、学生にはポーズだけでもいいから実習先ではやる気を見せてほしいな、と心から思います。そうじゃないと、受け入れ側の学芸員さんも報われませんからね。本当に技術というよりは精神論を伝えることになりそうです。
まぁ、館によって当たり外れがあるというのも現実としてはあります。きちんと実習指導するつもりで準備をして受け入れるところもあれば、単に1週間のお手伝い、労働力としか考えないところもあります。それぞれの館の内部事情は私も知らないので、「ここは良い。ここはダメ」なんてアドバイスはできませんが、いずれにしても学生だって学芸員だって、お互い貴重な時間を使って実習をするので、協力して気持ちよくやるためにはどうしたらいいか、という視点で指導するしかないかなと思います。
さて、初めてのことなのでどうなることやら。
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