【実録!】誤った報酬系が、会社を詐欺へと変えていく
商売において、誤った成功体験は優先してしまうことで自分の首を絞めてしまう。成功は正攻法で得たいもの、という話
先日とある業者の世間話から聞き覚えのあるA社の名前がとびだした。
世間話のテーマは“最近あったダマされた話”であり、その会社の名前が挙がったのもうなづけた。
業者によると、数ヵ月前にA社と知り合い仕事をすることに。
店舗の内装工事を依頼されたらしいのだが、A社の社長がいうにはこれから全国に支店を増やしていくチェーンの仕事で、関東近郊だけで30店舗は出店予定とのことだった。
だが、1店舗目の工事後に連絡が取れなくなり、工事代金も支払われなかったというのだ。
わたしはこのA社とは10年近く前に関わりがあり、当時から上手い話をチラつかせては工事後に代金を支払わずに飛ぶ、という行為を繰り返していた。
幸いにも弊社は引っかからなかったが、知り合いの業者が多数ダマされたことで強烈にA社の社名がインプットされたという経緯だ。
ウワサによるとA社は創業当時、高齢者にとある商材を売り込んで一定の成果を出してしまった。
詳細には書けないが、健康被害をあおり、その商材を自宅に装着することで解消されるとうたっては高額で売りつけるという商法である。
当時、本業の事業がうまく軌道に乗らず怪しげな商材の代理店商売に手を出して成果を出すというラッキーパンチが当たった。
誤った成功体験を得たことで倫理観が麻痺し、自身が人を騙している感覚が薄れていったという話だが、そのラッキーは長くは続かず、資金繰りが悪化した末、工事代金の持ち逃げを始めることになる。
このようにチートで得てしまった成果はその人をさらなるチートへと誘うのだ。
ビギナーズラックからギャンブルにドハマりしてしまう人のように、例え良からぬ方法であっても脳の中で報酬系の回路が組み込まれてしまうせいだろう。
だが、悲しいかな10年近く経っても同じようなことを繰り返しているということは、相変わらず資金繰りは火の車ということなのかもしれない。
正しい道に戻ることはないとは思うが、人の恨みを背負って生きるうちは本当の成功体験を得ることはないだろう。
根拠のない成果は成功に似た落とし穴。手応えを感じていなければ、それは成果ではない
