【新視点!】同業者の「困りごと」で食っていく、ニッチな生存戦略
商売において、既存市場だけに視点向けるより、多方面で自社の商品(製品・サービス)が売れないか?という視点を持つ方が儲かるかも、という話
視点をずらせば「敵」が「顧客」に変わるかも?
商売において、自社の商品やサービスを誰に売るか?
多くの場合は「エンドユーザー」や「一般顧客」を想定し、その市場の中で競合としのぎを削る。だが、その視点を少しずらしてみるだけで、手付かずのブルーオーシャンが見つかることがある。
先日、雨で一日事務所に籠もっていたときのことだ。
不意に一人の来客があった。
スーツ姿のサラリーマンではなく、着古した作業着に身を包んだ、いかにも「現場の人」といった風貌の男性だ。
彼の営業内容は、「ガラスやサッシの、ごく小さな修理工事なら何でもお任せください!」という。
同業者の「困りごと」を商品にする
実は、弊社のような業態において、この手の「小さすぎる仕事」は頭の痛い問題であった。
手間がかかる割に利益が薄く、人手不足も相まって、せっかくの依頼や相談も断らざるを得ないケースが少なくない。
おそらく、地域の同業者も同じような悩みを抱えているはずだった。
「手が回らない細かい仕事を、同業者の代わりに引き受ける」
彼はもともと同業者として現場に出ていたが、業界の高齢化や深刻な人手不足という現状を目の当たりにし、自分一人で何ができるかを考えたという。
そこで辿り着いたのが、一般顧客ではなく「同業者」をターゲットにした、ニッチなサポート業務だった。
競合として戦うのではなく、競合の「弱点」を補完するパートナーとして立ち回る。
この視点の切り替えこそが、商売におけるピボット(方向転換)の本質である。
他業界に見る、ピボットの成功例
こうした「視点のずらし」で成功している例は、他業界にも多い。
例えば、あるクリーニング店は、一般客の衣類を洗うのをやめ、「高級スニーカー専門」の洗浄サービスへと舵を切った。
すると、近隣の住民だけでなく、全国のコレクターから依頼が舞い込むようになった。
また、ある居酒屋は、夜の営業を縮小し、培った仕入れルートを活かして「近隣の飲食店向けの小分け食材卸」へと変貌を遂げた。
どちらも、既存の市場で競い合うのをやめ、自社のリソースがより高く売れる「別の場所」を見つけた例だ。
共通しているのは、自社の技術や製品を「今の場所」だけで完結させず、「他方面で売れないか?」と問い続ける姿勢である。
供給不足の隙間をコソコソと埋める
今回訪ねてきた彼のように、業界の内情を知り尽くしているからこそ見える「隙間」がある。
大手が見向きもしない、あるいは効率が悪すぎて誰もやりたがらない領域。そこには、切実なニーズが埋もれている。
彼とは、今回は名刺交換のみだったが、おそらく今後、弊社でも助けを求める場面が出てくるだろう。
彼のような存在は、業界全体の循環を良くする潤滑油のような役割を果たす。
「自社の製品は、本当にこの客にしか売れないのか?」 「今のやり方以外に、この技術を喜ぶ人はいないか?」
既存の市場で行き詰まりを感じたときこそ、この問いが重要になる。ターゲットを180度変えてみるだけで、これまで「敵」だと思っていた同業者が、最もありがたい「お得意様」に変わるかもしれない。
お困りごとを解消する、という普遍のニーズを満たすことができれば、商売は成立する
