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ありふれた様に見えるモノでも人知れず誰かを救っていたりする

人生を変える一杯、というよりは人生の変化を見てきた一杯、とでも言うべきか。

 「担々麺屋 新潟大学前店」の「キムチ担々麺 トッピングメンマ、キムチ、激辛」にはそんな魅力がある。
 中にヤクでも入っているのでは無いかという中毒性は、担々麺と呼ぶにはあまりにも世間の認識とずれているその味わいからなのか、どこのラーメン屋に行っても出会えない絶妙な中太平麺のお陰なのか、キムチとメンマの甘さに見え隠れする深みからなのか。

 その中毒性は恐らく、人生で一二を争う程大変だった時期に食べ続けた味だったからだと思う。
 世間の人々が母親の味を食べに行くのと同じくらいの気持ちで、年に数回、この担々麺を食べる為だけに新潟に行く。流石に新幹線は使わないけど、夜行バスで往復して1日2杯食べても1杯3,000円は下らない高級担々麺を味わう度に泣いてしまう(どうでもいいけど夜行バスは本当に安い)

 この味に再び出会えた感動もあるけど、それ以上に大変な時期を乗り越えた時に食べ続けた味だからこそ、自分を心から賞賛できる気持ちとか、だけど当時の自分が今を見たらもっと頑張れと言うだろうとか、複雑な気持ちが込み上げてくる。

 兎に角、どんな高級フレンチよりも特別な気持ちになれる一杯なのだ。

 ここに妙がある。「担々麺屋 新潟大学前店」のスタッフや店主達は、ご自身が作る担々麺がいかに人(私)を感動させているか、必要としているか、世界中の何よりも美味しいと思っている人(私)がいる事も知り得ない。
 何気無しに作っている一杯だったとしても、だ。そういったものやコトは多分他にも一杯あって、知らず知らずに誰かが誰かをとんでもなく救っているかもしれないと思うと素晴らしい世界に思える。

 「担々麺屋 新潟大学前店」ここに来て一杯を頂く事で毎年何かリセットされる、初詣のような気分になる。コロナ禍さえ終わったらまたすぐ行きたいし、コロナ禍で経営不振にでもなっていたら全力で助け(買収)たい。

人知れず誰かを救う事がある世界では人知れず誰かを傷付ける事の方が多い。自戒。


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