【5銘柄】今買うならこの高配当株5選
「株価が上がる銘柄を当て続ける」のは簡単ではありません。
だからこそ、長期投資では保有しているだけで定期的に配当金が入ってくる高配当株が大きな武器になります。
特に新NISAでは、短期的な値上がり益だけを狙うよりも、
「利益をしっかり稼げる」
「株主還元に積極的」
「配当を維持・増配できる可能性が高い」
そんな企業を長期間保有し、配当を受け取りながら資産形成を進める戦略と相性がいいと考えています。
ただし、単純に「配当利回りが高い」という理由だけで銘柄を選ぶのは危険です。
業績悪化によって減配されれば、配当収入が減るだけではなく、株価まで大きく下落する可能性があります。
そこで今回は、現在の日本株の中から、単純な利回りだけではなく、事業基盤・配当方針・増配余地・株主還元姿勢まで含めて注目したい高配当株5銘柄を紹介します。
① JT(2914)
まず外せないのがJTです。
高配当株投資をしている人なら、一度はチェックしたことがある銘柄ではないでしょうか。
JTの最大の魅力は、なんといっても強いキャッシュ創出力と高水準の配当です。
JTの注目ポイント
・2026年12月期の年間配当予想:242円
・2025年実績234円から増配予想
・配当性向の目安:約75%
・世界各国でたばこ事業を展開
・景気変動の影響を比較的受けにくいビジネス
2026年の年間配当は1株242円を予定しています。2025年の234円からさらに増配する計画です。
JTの強さは、たばこという商品の性質にあります。
自動車や住宅のように景気が悪くなると購入を大幅に先送りされる商品とは異なり、たばこの需要は景気変動だけで急激に消失しにくい。
さらにJTは日本だけではなく海外で大規模に事業を展開しており、価格改定によって収益を確保できる強みもあります。
一方で、注意したいのは配当性向が高いことです。
利益のかなりの部分を株主に還元しているため、利益が大きく落ち込めば増配余力も小さくなります。また、世界的なたばこ規制や訴訟リスクも無視できません。
それでも、「今の配当を受け取りながら長く持つ」という高配当株投資では、依然として中心候補になりやすい銘柄です。
② 日本製鉄(5401)
2銘柄目は日本製鉄です。
鉄鋼株には「景気敏感株だから怖い」というイメージがあります。
確かに鉄鋼需要は世界景気、中国経済、原材料価格などの影響を受けます。
しかし現在の日本製鉄を見るうえでは、単なる国内鉄鋼メーカーという認識だけでは不十分です。
日本製鉄の注目ポイント
・2026年度年間配当予想:24円
・連結配当性向30%程度が基本方針
・新たに1株24円の下限配当を導入
・海外展開による成長余地
・USスチールを含めたグローバル戦略
特に注目したいのが、2030中長期経営計画で**「下限配当24円」**を導入した点です。会社は配当性向30%程度を基本としながら、2026年度についても年間24円を予定しています。
高配当株投資で最も怖いのは、業績悪化とともに配当が一気に削られることです。
もちろん下限配当が未来永劫保証されるわけではありませんが、会社側が配当の安定性を以前より重視している点は評価できます。
一方、日本製鉄は5銘柄の中では値動きが大きくなりやすい銘柄です。
鉄鋼市況、原料炭・鉄鉱石価格、為替、世界経済、海外事業など確認すべき要素が多い。
そのため、一括投資よりも相場が弱い場面で少しずつ拾う銘柄として考えたいところです。
③ 三菱HCキャピタル(8593)
「長期で配当を増やしてくれる企業を持ちたい」
そんな投資家にとって有力候補になるのが三菱HCキャピタルです。
この会社の魅力は、現在の利回りだけではありません。
最大のポイントは圧倒的な増配実績です。
三菱HCキャピタルの注目ポイント
・2026年3月期年間配当:46円
・2027年3月期年間配当予想:51円
・28期連続増配を予想
・2026年3月期純利益は1,622億円
・4期連続で過去最高益を更新
2026年3月期は純利益1,622億円となり、4期連続で過去最高益を更新。年間配当は46円となりました。
さらに2027年3月期は年間51円への増配を予定しており、実現すれば28期連続増配となります。
ここが非常に重要です。
高配当株投資では「今3~4%もらえるか」だけではなく、10年後に自分の取得価格に対して何%の配当を受け取れているかという視点も重要になります。
増配が続けば、購入時の株価に対する実質的な配当利回りは年々高くなっていきます。
事業もリースだけではなく、不動産、航空、物流、環境エネルギーなど幅広く分散されています。
弱点を挙げるなら、金融事業の性格上、金利や信用コスト、景気悪化の影響を受ける点です。
それでも、「高配当+連続増配」を重視するなら5銘柄の中でも特に長期保有向きだと考えています。
④ INPEX(1605)
4銘柄目はINPEX。
日本を代表する資源開発企業です。
原油や天然ガスを扱うため、業績は資源価格と為替によって大きく変動します。
そのため安定成長株とは言いにくい一方、現在の株主還元方針は高配当投資家にとって非常に魅力的です。
INPEXの注目ポイント
・2026年12月期年間配当予想:108円
・2025年の100円から増配予定
・90円を起点とした累進配当方針
・総還元性向50%以上を目指す
・自己株式取得にも積極的
INPEXは2025~2027年度の中期経営計画期間について、年間90円を起点とした累進配当を掲げています。累進配当とは、原則として減配せず、維持または増配を目指す考え方です。
2026年については、2025年の100円から108円への増配を予定しています。
これは高配当株投資家にとってかなり大きなポイントです。
一方で、INPEXへの投資で絶対に忘れてはいけないのが原油価格。
原油価格が高く、円安なら利益が膨らみやすい一方、原油安・円高では業績の逆風になります。
したがって株価が資源高で一気に上昇している局面で追いかけるより、原油価格低下などで市場が悲観的になった局面を狙って少しずつ買う戦略が向いています。
⑤ MS&ADインシュアランスグループHD(8725)
最後はMS&ADインシュアランスグループホールディングスです。
三井住友海上やあいおいニッセイ同和損保などを傘下に持つ、大手損害保険グループです。
近年の保険株は、単なるディフェンシブ株ではなく、資本効率改善と株主還元強化というテーマで見る必要があります。
MS&ADの注目ポイント
・2026年3月期年間配当:160円
・2027年3月期年間配当予想:170円
・増配基調が継続
・配当に加えて自社株買いも積極的
・政策保有株の縮減による資本効率改善
2027年3月期は年間170円の配当が予想されています。2026年3月期の160円からさらに増配する計画です。
保険会社は保険料を受け取り、保険金支払いまでの資金を運用することで利益を生み出します。
金利のある世界へ戻ったことも、長期的には運用収益改善につながる可能性があります。
さらに注目したいのが政策保有株の縮減です。
保有資産を圧縮しながら資本効率を高め、その資金を配当や自社株買いなどに回す流れは、株主にとって追い風になり得ます。
もちろん、大規模自然災害が発生すれば保険金支払いが増え、利益が変動するリスクはあります。
それでも、配当だけでなく自社株買いまで含めた総合的な株主還元という点では、今後も注目したい銘柄です。
5銘柄をどう使い分ける?
今回の5銘柄は、同じ「高配当株」でも特徴がかなり違います。
配当収入を重視するなら
・JT
・INPEX
現在受け取れる配当金の大きさを重視したい人向き。
長期的な増配を重視するなら
・三菱HCキャピタル
・MS&AD
今の利回りだけでなく、10年、20年先の配当成長を狙いたい人向き。
景気敏感株の値上がり余地も狙うなら
・日本製鉄
配当を受け取りながら企業価値上昇も狙いたい人向きです。
まとめ
今回紹介した5銘柄はこちらです。
JT
・年間配当予想:242円
・強み:高いキャッシュ創出力
・注目点:高水準の配当
日本製鉄
・年間配当予想:24円
・強み:世界規模の鉄鋼事業
・注目点:下限配当の導入
三菱HCキャピタル
・年間配当予想:51円
・強み:長期間の増配実績
・注目点:28期連続増配予想
INPEX
・年間配当予想:108円
・強み:国内最大級の資源開発企業
・注目点:累進配当+自社株買い
MS&ADインシュアランスグループHD
・年間配当予想:170円
・強み:国内有数の損害保険グループ
・注目点:増配+積極的な資本還元
高配当株投資で大切なのは、単純に「利回りが高い銘柄」を買うことではありません。
本当に見るべきなのは、5年後、10年後にも利益を稼ぎ、その利益を株主へ還元し続けられる企業なのかという点です。
そして、どれだけ優良な企業でも株価が割高なタイミングで一括購入すれば、その後の下落に耐える必要があります。
だからこそ僕なら、今回のような高配当株は1銘柄に集中させず、業種を分散しながら買います。
さらに「今すぐ全額」ではなく、株価が下がった場面でも追加投資できるよう現金を残し、複数回に分けて買っていく。
高配当株投資は、派手に資産を2倍、3倍にする投資ではありません。
しかし優良企業を適正な価格で買い、配当を受け取り、増配を待ち、場合によってはその配当を再投資する。
この地味な積み重ねこそが、長期では非常に大きな差になります。
※本記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。配当予想・業績予想等は今後変更される可能性があります。また、本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は企業の最新IR情報等をご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお願いいたします。

