ミラーガイ~善悪の鏡~ 第4話 首輪付きのペット
創作大賞2025のエンタメ原作部門の応募条件(1万5000文字)を達成(改行、空白を除いた現時点の文字数は1万5901文字)したので、暫く続きは投稿しませんが、ご理解ください。
おびただしい数の摩天楼が聳え立つ、ルミナシティ第3地区。
世界の最先端をいく科学の粋を極めた先進的な大企業と、その組織に属する社員や経営者の暮らす場所。
ここにいるのは家柄、家系図、さらには職業の持続可能性をAIによって約束された、成金ではない真のエリートだけだ。
街では実験的に自然との調和をコンセプトに、屋外の屋根や外壁に草木が繁茂した緑園都市を、居住者は〝先進的〟だという。
しかし彼らからみれば平凡なルミナシティの下層、中流に、その試みは
「金持ちの考えは、よくわからん」
と一蹴されていた。
スーツを着た人々が行き交う中、外部から緑地管理を任された業者が汗を拭い、治安維持のヒーローは不審人物に目を光らせる。
そのなかでひときわ高層のビルには、正義の名を掲げる組織《ラージェスティス》本部が存在していた。
室内には机に座った組織の幹部たちに、白髪に左手の義手、右脚の義足が特徴的な青年―――ジョン・スミスが報告を行う真っ最中だった。
「では、ルミナシティ8番地区についてのご報告を。《ホープレス》の怪人や破壊活動で、壊滅的な被害を受けたようで、市民の死傷者数は概算で2000人以上。組織内のヒーローは3名が死亡。14名が重傷を負い、現在は治療中とのことです」
ジョン・スミスは努めて無表情を装い、淡々と事実を伝え終えた。
破壊工作は極めて大胆で、大企業の傘下にない企業ビルを狙って同時多発的に行われた。
彼はそれ以上は何も言わずに幹部に向けて、眉を寄せた。
まるで民衆への、ひいては組織の仲間を追悼する一言を懇願するように。
暫く重苦しい沈黙が続き、ついには耐えきれず
「―――皆様はこの件を、どうお考えでしょうか?」
と、彼は訊ねた。
それに対して上座にいた1人の幹部である《ラージェスティス》創立以来、影から組織を牛耳ってきた古参メンバーは吐き捨てるように
「そんな数字の多寡は、どうでもよい。ルミナシティの特権階級の皆様と、我々を支援していただくスポンサーのグリーロス様筆頭の大企業……そして彼らの関連企業。それ以外の命に、一切の価値などないのだよ。ずいぶん目つきが険しいが、何か不満でもあるのかね。ジョンくん?」
まるで氷のような冷気を帯びた言葉の温度。
無言で頷き、その幹部に同調する他の面々。ジョンは驚きのあまり瞳を見開いて、神妙な面持ちを浮かべるも、すぐにその場を後にした。
ドアを音を立てぬよう閉めた瞬間、背後で誰かが笑ったような気がした。
無機質な廊下を歩きながらトイレに向かう。
個室に入った彼は、左手で壁を思いきり叩いた。
(2000人と仲間の命がただの数字だと? ふざけるな、それが平和のために戦った彼らへの言葉か?)
怒りを発散しなければ、気が済まなかった。
義手や義足では感じられない痛みだけが、ただ彼に理性を取り戻させた。
壁に寄りかかると、ふと先日交わした言葉が脳裏をよぎる。
―――ミラーガイ、ダンプシティ出身の皮肉屋の無頼漢。
しかしながらその言葉には、どこか真っ直ぐなほどの情熱が宿していた。
「おまえらのその〝崇高な正義の心〟とやらも、結局は金持ちやスポンサーの連中に向けた、善人気取りにすぎない。タダでは助けない正義の味方様……ハハッ、最高のジョークだ。かなわねぇよ」
聞き流したはずだった台詞が、今頃になって胸の奥で鈍く疼く。
次いでジョンの記憶に、彼を犬に揶揄した光景が蘇った。
「……ああ、首輪付きのペットさ。自由も、正義もない、ただ命令に忠実な……これが本当に〝ヒーロー〟なのか……」
ジョン・スミスは名家の嫡男として生を受けた。
頭脳明晰かつ環境にも恵まれて、物心ついた頃から英才教育を施されてきた。
平凡な人間とは違う人生を送るのが、幼少期から確約されていた。
欲しいものがあれば玩具でも、ゲームでも、知識を得る古書でも、どんなものでも手に入った。
人々が長年蓄積してきた知識を吸収し、家の名に恥じぬエリートとして、彼は暮らしてきた。
ただ1つ、彼には他の子供と違う点があった。
―――先天性四肢欠損症。
左腕と右脚は関節から先が、生まれつき存在しなかった。
幼少期は幾度も手術を繰り返し、やがて彼の不足した部分は高性能の義肢によって補われる。
肉体の電気信号を感知して、本来は自由に動かせない義手の指は、何ら問題なく掴む動作を行える代物だ。
冷たく、硬く、人の感触を知ることはできぬ、仮初の肉体。
しかし人々が思い描くほどの苦労は、彼は経験しなかった。
誰がみても〝かわいそうな弱者〟の彼は、常に憐れみを向けられた。
多くの善意に触れて育った。
掃き溜めで暮らし、幼い頃から人や環境に蔑まれて、自己を守る術を学ばざるを得なかったミラーガイとは対照的に、ジョンは人の温かさに何度も救われた。
そうして助けられてきた少年は、いつしか強く願うようになった。
「いつか自分は助ける側になりたい。正義の味方として、悪を討ちたい」
と。
そんな気持ちは歳月を経る度に膨らみ、いつしか特撮やアメコミのヒーローに心を奪われていた。
コウモリのマスクを被った、正義のスーパーヒーロー。
国を背負った大義の象徴。
鋼鉄の戦士、緑の体躯をした巨人。
力を得た経緯は違えど、ガラスケースに飾られた彼らは、自らの守りたいもののために力を奮っていた。
そしてその姿にジョンは共感し、彼らのようになるのだと願った。
大切なフィギュアを日々眺め、埃を落とし、布で丁寧に磨く日々を過ごしていると、その夢はある日、思わぬ形で現実となった。
機械の腕や脚ではない左手や右脚で物に触れると、義肢が変形するという、特殊な能力が発現したのだ。
その異能を手に入れたジョンはそれ以来、ヒーローを目指して訓練し、物語の英雄に一歩づつ近づいた。
念願は成就し、今では
〝正義は名声のためにあってはならない〟
という理念の名の元に、名を捨てて《ラージェスティス》の一員として働き続ける毎日を送っている。
―――だがしかし理想の世界は脆くも崩れ、憧れの英雄はそこにはいなかった。
ジョン・スミスが守るのは民衆ではなく、上層部の意志とスポンサーの財産のみだ。
かつて憧れたヒーローたちは命令に盲目的に従って、意志も持たず動くことなどなかった。
たとえ秩序の檻に囚われていても、自らの信念を守り抜いた。
だからこそ、生き様に心が震えた。
だが自分はどうだ?
……命令を待ち、吠えるだけの首輪付きの飼い犬。
ヒーローではなく、物言わぬ歯車として治安維持に貢献する、ただのペットに過ぎなかった。
アンチヒーロー・ミラーガイの君は勇者になれるか! ファンタジー職業適性診断!
今回は以前に行った現実世界の適職診断とは違い、ゲームやRPGでの職業を診断していくぞ。
一般的なファンタジー作品の職だけを抜粋したから、幅広い層が楽しめるはずだ。
Lvやステータスも掲載しておくから参考にしてくれ。
フッ、今回の診断者がやられたか……しかしヤツは全診断者の中で最弱!
質問1 いつか誰かの役に立って名声、富などを得る現世利益的な成功をしたい?
1.yes 2.no
質問2 戦士や武闘家などの近接職が好き? それとも魔法使いが好き?
1.武器で敵を倒すのがかっこいい
2.後ろからチクチク攻めたい
質問3 ダンジョン探索が好きで宝箱探しに夢中になったり、迷宮の構造を調べちゃう?
1.はい、私は好奇心が強いです
2.いや、効率的に素早く進みたい
質問4 ぶっちゃけ勇者になりたい?
1.はい
2.いいえ
結果発表
質問1
・yes
適性ファンタジー職 乞食
名声、富などを得ようと気持ちばかりが先行して、たいした能力もなく、かつ自尊心ばかりが肥大したあなたには乞食がおすすめです。
俺や私には能力があるって?
乞食になるはずがないって?
いえ、働けるかは雇用者の一存で決まるので、あなたの実際の能力や意思など、さして重要ではありません。
勤労意欲があろうと、熱意があろうと、多少は能力があろうと、あなたは乞食確定です。
Lv1
STR 0
INT 0
VIT 0
DEX 0
LUC 0
今後の可能性 999
・no
適性ファンタジー職 ミイラ
成功意欲がなく、生きる目的も持たず、主体的な意思に乏しい、もはや生きた屍のあなたにはミイラが適職。
地味にファンタジー作品での登場機会、人気には恵まれているのが◎。
よかったですねwww
Lv10
STR 8
INT 10
VIT 5
DEX 3
LUC 4
愛され度(屍肉に群がるゴキブリ限定) 999
質問2
・武器で敵を倒すのがかっこいい
適性ファンタジー職 猟奇的殺人農家スーサイドおじさん
敵を倒すのが大好きなあなたは畑仕事で鍛えられた肉体を駆使し、畑を荒らす害獣を鍬でとにかく駆逐し続け、ついでに家に無断で侵入してくる、性根の腐った自称勇者の不審者を殺しまくった、血に飢えた殺人農家スーサイドおじさんが適職。
細かく砕いた人骨のばらまかれた土壌で育つ野菜は、とっても栄養満点☆
友情、努力、勝利……クソ喰らえだ!
他人への優しさや同情心を一切持たず、敵対者は末代ごと滅ぼすのが真の勇者の証だ!
退屈な世界で死を求めても、誰も彼に敗北を与えてはくれない……!
Lv95
STR 99
INT 90
VIT 99
DEX 95
LUC 99
勇者度 999
・後ろからチクチク攻めたい
適性ファンタジー職 勇者の道を阻む極悪オニダルマオコゼ怪人 ヤマモト サタン
後ろから攻めるのが大好きなおまえには三叉槍と魔法を扱う、極悪オニダルマオコゼ怪人ヤマモト サタンがおすすめ。
しかし勇者や勇者の妹、両親、幼馴染、勇者の育った村人、勇者の仲間にあんなことやこんなことをしたコイツを選ぶとは、おまえの根性は腐っていますね。
Lv60
STR 52
INT 48
VIT 55
DEX 42
LUC 51
非道度 999
質問3
・はい、私は好奇心が強いです
適性ファンタジー職 好奇心に殺される猫
好奇心旺盛なあなたには、好奇心に殺される猫がおすすめ。
罠が張り巡らされたダンジョンに向かい、罠を踏んで死亡。
その後に迷宮に立ち寄った勇者が、あなたの遺体や白骨を見て、ここは危険だと察する、それなりに重要な役割を果たします。
Lv20
STR 28
INT 16
VIT 25
DEX 24
LUC 20
自由度 999
・いや、効率的に素早く進みたい
適性ファンタジー職 チーター
誰よりも素早く駆け抜けたいあなたには、最速100kmを超えるチーターがおすすめ。
しかし根本的な問題として、ファンタジー作品にチーターが登場する機会はめったにありません。
しかしそんなことよりボケ倒す方が重要なので、チーターを選出しました。
Lv25
STR 25
INT 20
VIT 18
DEX 42
LUC 20
人懐っこさ 999
質問4
・はい
適性ファンタジー職 勇者の偽物
勇者になりたい欲求だけは一人前のあなたの適性ファンタジー職は、勇者の偽物です。
家柄が平凡で向上心もなく、勇者ワナビーのあなたが本当に勇者になりたければ、まず金銭を払って爵位やナイトの称号を買うことから始めなければなりません。
Lv15
STR 18
INT 15
VIT 17
DEX 14
LUC 16
心意気 999
・いいえ
適性ファンタジー職 勇者
人の嫌がることを強制するのが俺の喜びなので、あなたの適性ファンタジー職は勇者です。
貴族や王族の息子or娘に生まれた勇者のあなたは、子供の小遣いのような金額で、付き人もいない孤独な怪物退治に旅立ってください。
俺はやりたくないので、世界救済はあなたに任せます。
Lv5
STR 8
INT 5
VIT 6
DEX 5
LUC 7
世界滅亡度 999
ファンタジー職業適性診断は以上だ。
勇者や悪役を含めていろいろな職業の人が登場したな。
実体のない虚業は多々あるが、基本的にはどんな職業にも貴賤はない!
収入や年収の多寡、職種で他人を蔑むなよ!
お前自身が人から収入や年収の多寡、職種で嘲笑われたくないならな!
