職場のトイレでは全員ちゃんと手を洗ってる。外ではみんな洗うポーズだけ取ってる。
職場という場所は少なからず、仮面を被る場所だと思う。
家では尻に敷かれるおじさんも職場では頼れる課長
友達の前では結構辛辣な女の子も職場ではおっとり愛されお姉さん
30後半の主婦もある時は25歳のOL
などなど、少なからず自分の見せたい顔を職場で見せる。
それは給料や仕事のためだったり、会社に好きな人がいるからであったり、それなりに長い付き合いをする他人だからこそ見せたい側面があるからだろう。
その中で、トイレの手洗い問題がある。
一度は思ったことがないだろうか。
職場では適当に洗っている人はほぼいないのに、駅やショッピングモールのトイレではまともに手を洗う人は相当稀であることに。
私の肌感としては、ちゃんとトイレで手を洗う人の割合は職場98%、駅10%くらいだ。
88%のみんな・・・どうしちゃったんだい。
そんなの職場によるわい!となるかもしれないが、私は転職したり職業柄複数のビルに行くことがあったりしたのだが、それを含めての体感98%だ。
職場ではみんなしっかり手洗いマンになる。
仮に実際は98%より洗っているとしても、駅と職場では相当に割合が違うことには同意していただけると思う。
この割合の差はどこからくるのか。
おそらく知人から見られているという意識から来る。
「あの人トイレ行ったけどその後手を洗ってないんだぜ」
など職場で言われたらそれはもうたまったものではない。後輩からは不潔な目で見られ、上司からはパソコンのキーボードを拭くためのウエットテイッシュが支給される。
ドアを開けた後は、指紋をつかないようにハンカチでノブを回すような開け方をされるかもしれない。
どんなに仕事ができて、プレゼンが上手でも
「でも今動かしてる手は多分トイレ行った後洗ってないんだよな」
など思われたら説得力は大から小になる。
ゆえに人は会社のトイレで手を洗うのだ。
本音をいうなら、トイレに行っても目に見える汚れはつかない。
手を洗う水は冷たいし、その後拭くハンカチも持ってないこともあるし洗わなくていいじゃん?と思う。
それでも人はちゃんと手を洗うのだ。少なくとも会社では。
ただ、駅ではほとんど知り合いに見つかる心配はない。それならそんな面倒なことはしなくてもいいよね、洗うにしても一瞬だけ水に手をつけてポーズだけ取ればいいよね、ということで洗っていない人が多いのだろう。
つまり、トイレの後に手を洗いたくないのが人間の本音なのではないだろうか。
それが98%と10%の差に現れているのではないだろうか。
だから駅でみんなが水を手の先っぽだけつけて洗っているふりをしているのを見ても、そこまで嫌悪感を抱かない。みんな実はそうだから。
そして、友達だけトイレ行った時は間違っても
「あいつトイレ行ったけどどうせ手はちゃんと洗ってないんだろうな〜」
とは思わない、というかそもそもそのことは頭には出てこない。
なぜなら結構な人が実は会社の外ではちゃんと洗ってないから。ポージングだけしてるから。
なので、友達だけがトイレに行った時もちゃんと手を洗ったのかな、という発想が出てこないのだ。
しかし、職場の時にはよく思われたい知り合いに見られている、という状態なので、みんな手をちゃんと洗うというポージングを決めているのだと思う。
だから、実際
「あいつトイレの後ちゃんと手を洗ってないらしいぜ〜!」
という噂を会社で流されても、みんなしかめっ面をする割に
後輩「え〜。手くらいちゃんと洗いましょうよ・・・」(やばっ私も会社くらいしかちゃんと洗ってないんだよね。バレてないかな・・・)
上司「おいおい、キーボードも拭いとけよ(笑)」(ま、そんな俺も普段手なんか全く洗ってないんだけどね。ぴっぴろぴーw)
みたいなことになると思われる。
こんなのただの悲しい汚い人狼ゲームだよ・・・。
誰も幸せにならないので、仮に手を洗い逃している人を見かけてもそっとしておこう。すごい音が隣の個室から聞こえてきて、その人が同じ部の人だった時でも何も言わないみたいに。
ただ、手は洗ったほうがいいとは思うので、できるだけ洗おう。
ただし、洗わない人がいてもそこは触れずにそっと流す感じで。
そしたらいつかその記憶も溶けて消えるので。
