【詩】ガムシロを二つ入れたら
” なにが 悪かったんでしょうか? ”
そう尋ねるその男に
僕は無言で 歪んだ笑顔を返す
女の方と
ともだちなのだ
僕は
男の方は
女を介した
少しだけ ともだち
客観性を粉砕する
この ともだち
という縛り
言い換えれば
絡み合う血塗りの足枷
話をしているうちに
悪いのは 女の方なんじゃないかと
心の底で そう思い始めながらも
僕は相変わらず 歪んだ笑顔を返す
カランコロンという扉の音が
男の心の鼓動に聴こえたのは
中途半端な罪悪感からなのか
テーブルに残されたアイスコーヒーの脇に
空になったガムシロが二つ並んでいる
すれ違いの 始まりは
こんなことだったのだろうか
一つでも あり得ないのに
二つなんて むりみたいな
そんな どうでもいい価値観
もし あの扉がもう一度開いて
カランコロンの乾いた音と共に
女が入ってきて
” どうだった? ”
とか言いながら
自分のアイスコーヒーに
ガムシロを二つ入れたら
僕はもう 心の中で
男性としては 落涙し
中性としては 達観し
女性としては 共感し
ともだちとしては どの選択もせずに
” オマエも悪いところがあるんじゃね? ”
と思わず口にしてしまい
顔にコップの水をかけられるのだろうか
