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「頑張って」とは言わない優しさ

頑張って、とつい言ってしまう


日本人は真面目で、頑張り屋さん。

だから、つい言ってしまう。

「頑張って!」

でも、これ以上何を頑張ればいいのか分からないくらい、
もう充分頑張っているときもあります。

そんなときに言われる「頑張って」は、

「頑張ります」と答えながらも、

——あと、どのくらい頑張ればいいのだろう。 


そんな気持ちになることがありました。

ママ友のご主人の葬儀に参列したときのこと。

そのママ友のお母様が、
何度も、みんなに聞こえるように言っていました。

「もう充分頑張った。
もう頑張らなくていいから。
ゆっくりすればいいから。」

励ますつもりでかける

「大変だったね。大変だけど頑張ってね。」

その言葉が、
かえって重くなることがある。 

お母様は、それを知っていたのだと思います。

私も死別したとき、
たくさんの人に言われました。


「頑張ってね。」

配偶者を見送るのは、本当に大変です。

寝ていない。
気持ちが追いつかない。
それでも、葬儀の打ち合わせや連絡、事務作業は待ってくれない。

やらなければならない。
何も考えられないまま、動くしかない。


死別してから十年以上経って、
親族の葬儀がありました。


そのあと、喪主であった従兄弟から電話がありました。

「葬儀って、こんなに大変だったんだね。

若いときに、子育てと介護を抱えて一人でやったなんて、

今ならどんなに大変だったか分かる気がする。」

子どもだった彼は、あの時
何もできなかったと。

わざわざ電話をくれました。

大変なのです。

本当に。

「頑張って」という言葉は、

本来、まだ力を残している人に向ける言葉なのかもしれません。

限界まで頑張っている人には、

「無理しすぎないでね」

「身体に気をつけてね」

「落ち着いたら、美味しいもの食べに行こう」

そんな言葉のほうが、
気持ちが伝わりやすい気がします。

そして、受け取った方も、

ありがとう

と素直に思える気がします。

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