見出し画像

【日本は貧しくなってしまいました】

1.日本人は貧しくなりました

私たち一般庶民の生活に関していえば、円安よりも円高が良いのでしょう。円安になれば外国から物を買うときに、これまで100円として使えていたお金が90円とか80円とかになってしまうので、100円で買えていたものを111円とか125円で買わなければなりません。円安で輸出産業は潤ったのですが、それが雇用環境改善や賃金上昇に繋がらず、企業の内部留保が増えただけだったので、庶民は円安で貧しくなりました。農林水産省の発表によれば令和5年の日本の食料自給率は、生産額ベースで61%、カロリーベースでは僅か38%でした。円安になって食品の価格が上昇し、生活費に占める食費のウエイトが高い低所得者層では、食事すらも十分にできないような貧困家庭がまた増えました。
ニッセイ基礎研究所によると“日米欧6か国の物価上昇を加味した1人あたりの実質賃金上昇率”は、1999年1~3月期を100として算出した結果、2023年10~12月期では、イギリス42%、アメリカ34%、フランス18.4%、ドイツ12%なのに、日本はマイナス2%、イタリアはマイナス5.9%でした。日本人はこんなにも貧しくなりました。イタリアは国有資産額よりも赤字国債残高が多い債務国です。日本はまだ債務国にはなっていませんが、そんな経済環境のなかで、最初は3%だった消費税率が1997年から5%に上がり、2014年4月には8%に上がり、2019年10月からは10%になったので、結婚も子育てもできない若年層の人が、どんどん増えてえてしまいました。

2.世界中で分断と紛争が増えています

世界の人口は2023年に80億人を超えて、毎年8000万人ずつ増え続け、生活を支えてくれる太陽と地球からの恵みのキャパシティを超えようとしています。温暖化で陸地と森が失われ始め、農地も水も食料も不足し始めたので、資源を独り占めにするために対立し、奪い合いが始まってしまったのでしょうか。ロシアが始めたウクライナへの“侵攻”は戦争へと発展し、イスラエルとイランの関係も争いになっています。トランプ政権の誕生でアメリカ国内では“分断”が問題になっています。ミャンマー、スーダン、エチオピアでも紛争が続いており、アフリカ、中東、中南米でも揉め事が絶えません。世界の半分は今も不安定な社会情勢ですが、日本は1945年に終戦を迎えて以来、2025年の現在まで80年もの間平和が持続しています。それなのに、どうしてこんなに貧しくなったのでしょうか。理由は経済政策の失敗ですが、特に問題なのは世帯間の貧富の格差が拡大したことです。アメリカの歴史学者ウォルター・シャイデルが『暴力と不平等の人類史』(東洋経済新報社)の中で“歴史的に見れば平和な時代には、どこでも格差が拡大している”と述べており、それは日本の社会にも当てはまっています。2024年1月11日に掲載した【一億総中流時代から世帯間格差拡大時代へと】という私の過去の記事をお読みください。

3.世帯間格差の縮小が喫緊の政策課題ではないでしょうか

国の限られた予算の配分先の優先順位を決めるのが政策で、対立するどちらの集団を優先するのかでそれが決まります。その対立軸は高齢者層と若年者層、男性と女性、そして富裕層と貧困層でしょうか。社会保険料の負担軽減と食料品の消費税率の引き下げは、どちらも庶民、特に貧困層の生活改善のための緊急性の高い政策です。ところが消費税に目的税というおかしな制約を付けたために、消費税の廃止や税率の引き下げをすると、社会福祉が減退する仕組みになっています。消費税は①税制全体のバランスをとるため②個別間接税の問題点を解決するため③高齢化社会の財源を確保するための三つ理由で導入されました。目的税という主張は③がその根拠ですが、それは単に“赤字国債をこれ以上増やさないための課税”という理由でしかありませんでした。それなのにその後も赤字国債は増え続けていますから、目的税という制約はもはや無意味でしょう。ということなのでとりあえず財源は赤字国債で賄って、与野党協力して民意に答えるために、必要なことをまず実施しましょう。その後で時間をかけて行政改革に取り組んで、無駄な支出を減らしていけば、食料品の消費税くらいは非課税にしても社会福祉を減退させないで、社会保険料の負担をもっと軽減することも可能です。そのために積み上げた赤字国債はこれから少しずつ減らしていけば、まだイタリアのようにはなりません。まずは議員定数の削減から始めましょう。経済先進国のイギリスでは、食料品を含む生活必需品の消費税は全て非課税です。オーストラリア、アイルランドもほぼ同様で、アメリカの多くの州は消費税ではなく売上税です。業績の良い企業がより多くの税金を負担するしくみなので、貧富の格差拡大を抑制するとともに②の問題に対応することもできるので、消費税よりも合理的な税制度です。

4.資源不足の問題は人的資源の有効活用で解決するしかありません

日本は人口が多いのに国土が狭く、経済資源の乏しい国なので、人的資源を活用することでしか経済を発展させることができません。経済発展の原動力は、①人口増加と②資本蓄積と③技術革新です。日本企業の社内留保額は増え続けており、円安で海外からの投資も得やすい環境なので資本蓄積は十分でしょうが、生産年齢人口は減少しています。技術革新はアベノミクスの第三の矢で、約束されていましたがその施策は不十分でした。ですから今やるべきことは、遅ればせながらまず少子化対策で、次に技術革新への予算配分や革新を妨げる規制の撤廃でしょう。そして、限られた生産年齢人口の幅を拡大するために、性別・年齢・人種を問わず、もっと多くの人が働きやすいように、職種や労働時間を自由に選択して働ける環境を整備すること、特に非正規労働者の労働環境を改善することが急務です。創造力豊かな人材の育成や賃金を上げることや物価を下げることも必要ですがどれも短期間ではできません。しかし、食料品の消費税撤廃は決断すればすぐに実施できます。それだけで“物価を加味した実質賃金”は上昇し、就労意欲が増せば人手不足の解消にも役立ちます。低所得者層の救済効果も期待できます。

5.社会の変化や価値観の変化に対応した労働環境の整備が大事です

日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月から1973年(昭和48年)11月までの約19年間でした。そのころの日本人は戦後の復興のために、それが家族を幸せにする手段だと信じ、とにかくがむしゃらに働き続けました。男性が仕事をして女性が家事一切を担う役割分担が明確だったので、専業主婦の家庭が70%でした。そんな昭和の時代とは、専業主婦が30%の令和の時代は違います。男女雇用機会均等法で社会の構造も男女の役割分担も変わり、核家族化で家庭の在り方も変わり、働き方改革で仕事に対する意識も変わり、インターネットの普及で働き方も暮し方も遊び方も変わりました。その変化の過程で日本人が経済的に貧しくなったのは事実ですが、企業戦士と言われて働き過ぎで病気になったり死亡したりする人や、父親不在で崩壊する家庭は減りました。転勤や単身赴任で家族が不本意な生活を強いられることも少なくなりました。公害も減って大気汚染も改善されたので、これらの変化は悪くは有りません。今は“ワークライフバランス”で仕事よりも私生活を重視する人が多くなりました。そんな社会で経済を持続的に発展させるには、“全ての人がその能力を発揮して気持ちよく働ける労働環境を整備する”ことが大事です。党利党略よりも先に民意に基づいた政策を提案して実施できるのはどの政党の誰なのか、見極めるのは私たちの責任です。

記事を読んで何か疑問や質問・相談があれば文末に記載したメールアドレスに送信して下さい。丁寧に回答致します。
実際にマンションを買おうと思ったら、下記の記事も是非合わせてお読みください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー