タラスク・タラスク
ヨーロッパも美術史も正典・正統より、脇道とされるところにある表現の方が気になってきました

『城- カステロフィリア』という著作にて澁澤龍彦はサド侯爵の領地があった南仏プロヴァンスへ旅行した時に、奇妙な怪物について語っています。アルルへ訪れた時、ゴッホの旧跡も古代ローマの遺跡もサクッとした記述で終わらせているのですが、今日の観光客もあまり行かないアルル民俗博物館で見かけたこの怪物についてはだいぶ筆が乗っており、印象的でした。澁澤らしさが全面にでたチョイスです
そいつは角を生やした日本の鬼のようにユーモラスな顔をして、床にうずくまっていた。怪獣のはずなのに、人間の顔のように眉毛があって口髭があるのが何とも愉快であった。背中は丸くふくらみ、亀の甲羅のようで、びっしり鱗が描きこんであり、その表面には何本も鋭いとげが生え揃っていた。全体から見て、亀とドラゴンの合の子のような感じである。

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