【AI格闘記㉜】完全自動化の幻想を捨て、80点のパッチワークで本番を回す(最終回/全4回)
「AIに投げれば何でも楽勝!完全自動化!」
……世間に溢れるそんな言葉は、嘘も良いところだ。
Geminiの力を借りてClaudeの嘘(コードのミス)を暴き、ようやく完成に近づいた私のカロリー記録アプリ。
しかし、現場への実装という最終段階において、AIはまたしても「とんでもない手抜き」と「ポンコツぶり」を発揮し、私に二度手間を強要してきたのだ。
「とりあえず本番環境に」というAIの怠慢

アプリのプレビュー画面でエラーが出ているのに、Claudeはこう指示してきた。
「アーティファクト内のエラーです。とりあえずGitHub(本番環境)にアップロードして確認してください」
現場の人間として、私はこの怠慢を見逃さなかった。
「この時点でエラーが出ているのにアップロードが必要か?2度手間にならないか?」
理詰めで問い詰めた。
するとClaudeはあっさり「原因が分かりました。計算用の関数が入っていませんでした」と自白したのだ。
もし私が言われるがままにアップロードしていたら、動かないアプリを見せられ、無駄な作業を繰り返すハメになっていた。
幻に消えた「画像解析」と、コード削除の凡ミス



さらに致命的な問題が起きた。
最大の目玉だった「食事画像のAI解析機能」が、APIキーのセキュリティ問題(公開サーバーにキーを置けない)で実装不可だと判明したのだ。
おまけに「180mlで88kcal」といったイレギュラーな飲料の計算も、AIが作ったガチガチの電卓では対応できない。
私は決断した。
「AI画像解析は削除し、人間がパッケージを見て自由に数値を打てるシンプルな電卓に作り変えろ」
しかし、ここでもClaudeはポンコツぶりを発揮する。
画像解析の機能を削除させた途端、今度は「イベントリスナーの消し忘れ」や「余分な } の消し忘れ」でエラーを連発したのだ。
AIは新しいコードを書くのは得意だが、不要なものを綺麗に消す(デバッグする)のはひどく苦手なのだ。
最後は「人間」が手打ちする。それが現場のDX
数々のエラーと死闘を乗り越え、ついに私の手元に「カロリー記録アプリ」が完成した。
その姿は、当初夢見ていた「写真を撮るだけで完全自動化」という魔法のツールではない。
複雑な家庭料理はGeminiに推測させ、市販品はパッケージを見ながら、私が自らの手で「単位カロリー」と「実際の量」を電卓に打ち込む。
そんなアナログな「手作業のパッチワーク」だ。
100点の幻想を捨て、80点の現実を回せ


これが、現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)のリアルな終着点である。
どんなにAIが進化しても、OSの壁、セキュリティの壁、そしてイレギュラーな規格の壁が必ず立ちはだかる。
そこで「完全自動化」に固執すれば、システムは確実に頓挫する。
「人間が間に入って手打ちする方が確実で早い」と割り切り、80点のシステムで本運用を回し始める勇気。
それこそが、44年の現場経験が私に教えてくれた最大の「現場知」だ。
完璧なシステムなど、幻想だ。
大事なのは、泥臭くても「現場で確実に回るもの」を作ることだ。
AIとの泥臭い格闘は、これからも続く。
だが私は、その格闘を楽しんでいる。
追伸
「ちなみに翌日、別の機能を追加させようとしたら、また全く同じ手口で嘘をついてきました。AIとの泥臭い格闘に終わりはありません(笑)」

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このシリーズの過去記事はこちらです。
「AIは平気で嘘をつきます。『現場の一次情報』の大切さを痛感した原点。」
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