木村達哉個展 銀座黒田陶苑アネックス
以前にHaseで展示会をしてくださった木村さんから案内を頂きました。
去年の同所での展示会から、早いものでもう一年。今年は「土の息吹」と題し、成長著しい木村さんの近作を集めた展示会のようです。
『大地の地層を焼き物に昇華させることを、自分の作陶の一つの軸としたい』今回の展示に寄せて、DMには彼らしい、ブレない決意の言葉が添えられていました。
私のフランスでの生活がいったん終わった2019年。現地では子どもくらいの年齢である20〜30代の若者たちと交流し、刺激に満ちた海外生活を送っていました。その日常の感覚がまだ身体に色濃く残っていた2020年、インスタグラムで偶然木村さんを見つけ、展示のお声掛けをしたのが始まりです。
当時の彼は、ちょうど大学三年生でした。忙しい学生生活の中で、そうとは思えないほどの確かな力量、モノを見つめてきた圧倒的なストック、そして「今後どう化けていくか」という無限の可能性を、目の前で見せてくれました。この展示会は、彼が四年生になった2021年も続きました。「卒業後、どこに窯を構えるかが定まったら次の展示会を」とお願いし、Haseでの展示はいったん2回で区切りをつけました。
そして去年。銀座のギャラリーの展示におじゃましたところ、スーツを着て在廊する、少し大人っぽくなった彼と久しぶりに再会することができました。その姿には、深く感慨深いものがありました。
以前、橋本美術の橋本さんから、若き日の内田鋼一さんが当時どれほど凄かったのかを伺ったことがあります。ほぼ同世代の内田さんですが、私がうつわに興味を持ち始めた頃には、彼はすでにスーパースター。それ以前の姿を私は知りません。「やはり凄い作家は、駆け出しの段階から圧倒的だったのだな」とお話を伺いながら感じたものです。
先日、ふとした瞬間にそのエピソードが頭をよぎり、同時に木村さんの姿が浮かびました。「彼もいずれ、そうなっていくのだろう」と。「いやいや、それは恐れ多いです」と、彼はきっとはにかみながら謙遜するでしょう。
けれど私は、彼のキャリアの初期に立ち会わせてもらったことが、いかに貴重な経験だったのかを、これから先、より一層深く実感していくのだろうなと思っています。
メガネをかけてより大人っぽくなりましたね、木村さん

