【新譜レビュー】Tyler, The Creator『DON'T TAP THE GLASS』
音楽アルバムのレビューは緊張する。
「変なこと言ってないかな?」という気持ちになってしまうのだ。
それはさておき、
今回は、7/21に発表された
Tyler, The Creator
『DON'T TAP THE GLASS』
についてだ。
"MADE FOR BODY MOVEMENT."
(踊るための作品)
とタイラー本人は言っていたが、いざ聴いてみると、、、
これは、踊れるね。
前回の『CHROMAKOPIA』から9ヶ月足らずと、早いリリースとなった今作。だが、作風は全く違う。
今作はタイラーの言う通り、思わず体が動いてしまうアルバムだ。だが、それだけではない多面的な魅力に溢れている。
アルバムレビュー
結論としては、抜群に良い。
かつ、タイラーの全アルバムの中で最も入りやすい作品になっていると言える。
『Flower Boy』以降から現在まで、彼はアルバムアーティストとしてのコンセプト性の強さで高く評価されてきた。
それらと比べると、全体を通しての共通したテーマや設計思想のようなものは控えめで、
「踊れる」というテーマに沿ったコンピレーションのように感じる。
しかし雑然としてはおらず、完璧と言っていいバランスで多彩なグルーヴが収録されている。飽きずに踊っていられるようなイメージだ。
冒頭からの流れで見ても
①「Big Poe」のダークでハードなビート
②「Sugar On My Tongue」の煌びやかなシンセ
③「Sucka Free」でよりゆったりと体を揺らす
というように、分かりやすく抑揚がつけられている。
そして、ダンサブルであるということは、楽曲に深みがないということを意味しない。
どの曲も素晴らしいが、例を挙げると
「Sugar On My Tongue」
エッジの効いたビート、ディスコミュージックを彷彿とさせるシンセサイザー
懐かしさも垣間見せつつ、モダンなサウンド
「I'll Take Care of You (feat.Yebba)」
ドラムンベースとイエバの美しいボーカルの対比が、アレンジによって上手く纏められている
などなど。
あくまで現在のムードを保ちながら、80〜90年代を思わせる要素を散りばめた曲が多い。
「Mommanem」→「Stop Playing With Me」の繋ぎにも胸が高鳴る。
まとめ
確かに「踊るための作品」ではある。しかし、シンプルすぎずカラフル、かつ全体的に完成度が高く、どんな場面でも聴ける。
全10曲・約30分という短さからも、密度が濃く少数精鋭であるイメージを受けた。いわゆる、飛ばす曲が無いアルバムだと思う。
・BEST SONG「Sugar On My Tongue」
・OVERALL 8.5/10
