話せた、その先にあるもの。
こんにちは、金泉 正です。
「少し、話したいです」
そんなふうに声をかけていただくことがあります。
もちろん、とても嬉しく思います。
もし、その時間が何かの役に立てるなら。
そう思いながら、いつもお話を伺います。
誰かに安心して話せること。
ちゃんと耳を傾けてもらえること。
それだけで、心が少し軽くなることがあります。
頭の中にあったものが整理されたり、
言葉にしてみることで、自分の本当の気持ちに気づけたり。
「話せてよかった」
そう感じられることには、確かな意味があると思っています。
けれど、ときどき思うのです。
その「話せてよかった」の、その先には何があるのだろう、と。
以前、私は「聞き屋」として、
人の話を聴くことを何より大切にしていた時期がありました。
その経験の中で、あることに気づいたのです。
それは、話しているご本人よりも、
聞いている私たちの方が、
その方のことを自分のことのように真剣に考えてしまうことがある、ということでした。
「こうしたらいいのではないか」
「この選択の方がいいのではないか」
そんな思いが、こちら側に自然と湧いてくることがありました。
でも、
今あの時のことを振り返ってみると、
あらためて強く思うのです。
「決めるのは、私ではない」のだと。
どれだけ真剣に耳を傾けても、
どれだけその人のことを思っても、
その先の道を選び、決断し、動かしていくのは、
やはりご本人でしかありません。
これは、突き放すという意味では決してありません。
むしろ、その人が持つ本来の力を、
どこまでも信じるということなのだと思います。
コーチングでも、
私はこのスタンスをとても大切にしています。
すぐに目先の答えを出すことよりも、
まずは関係を築きながら、
時間を重ねていくこと。
話されている表面的なことだけでなく、
まだ話されていないこと。
うまく言葉になっていないこと。
経営者やリーダーの方自身も、
まだ気づいていない深い思い。
そうしたものに、
少しずつ一緒に目を向けていきます。
そして、
その対話の中で見えてきたものをもとに、
最後に決断を下すのは、やはりその人自身です。
話すことは、あくまで「入口」なのかもしれません。
安心して話せること、
受け止めてもらえることは、
とても大切です。
でも、その先に。
「自分は本当にどうしたいのか」
「どんな変化を望んでいるのか」
その本質的な問いに向き合うことで、
はじめて、
未来を変える小さな一歩が生まれていくのだと思います。
変化は、いつも気持ちのよいものとは限りません。
たとえそれが良い方向への変化であっても、
少し不安になったり、
複雑な葛藤を抱えたりすることもあります。
それでも、
自分で選び、自分で決めた一歩には、
他の何にも代えがたい強い意味があります。
あなたが「話したい」と思った時、
その先に、どんな願いがありますか。
ただ話して楽になることも、ときには大切です。
でももし、その奥に
「かなえたいこと」や「変えたい現実」があるのなら。
少しだけ、その覚悟の思いにも耳を傾けてみてください。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
「話せた、その先」にあるものが、
あなたにとって大切な一歩につながっていきますように。
