アフォーダンス理論から考える「人の心を動かす動画撮影」の技術
前回の記事では、アフォーダンス理論をもとに
「人は情報ではなく、意味や体験の可能性を見ている」
という話を書きました。
では、その意味は、撮影ではどう作ればいいのでしょうか?
私は20年以上映像制作をしてきて、
一つ確信していることがあります。
人は映像を見ているようで、感情を見ている。
だから撮影とは、感情を撮る仕事なのだと思うのです。
【アフォーダンス撮影①】 人ではなく「視線」を撮る
初心者ほど、人物の顔ばかり撮ろうとします。
もちろん顔は大事であります。
でも本当に感情が伝わるのは、
その人が何を見ているかであります。
例えば、
✅子どもを見る母親。
✅空を見上げる老人。
✅本を読む著者。
✅料理を見つめる料理人。
視線には、
言葉にならない情報があるのです。
だから私は、
人物を撮る前に、
視線を撮るようにしてます。
【アフォーダンス撮影②】 手は感情を語る
私はインタビューでは、
必ず手を撮るようにしてます。
手には人生が出るんですよね。
✅本を書く手。
✅料理を作る手。
✅子どもの頭を撫でる手。
✅名刺を渡す手。
✅震える手。
✅握り締める手。
映像は、
顔より手の方が感情を語ることがあるんですよね。
【アフォーダンス撮影③】「行動」を撮る
プロフィール動画で
パソコンを打っているだけ。
会議しているだけ。
歩いているだけ。
こういう映像は多いですよね。
でもそれでは
仕事は見えても、想いは見えません。
例えば、コーヒー屋なら
✅豆を選ぶ。
✅香りを嗅ぐ。
✅お客様を見る。
✅カップを渡す。
行動には、価値観が出ます。
だから私は
仕事ではなく、
仕事の哲学が見える行動を撮るようにしてます。
【アフォーダンス撮影④】一歩引いて撮る
映像制作ではヨリが大事と言われます。
もちろんそうなんですけど、でも、
寄りだけでは世界観が分かりません。
私は必ず引きの画を意識して撮るようにしてます。
✅どんな場所で。
✅どんな空気で。
✅誰に囲まれて。
✅どんな環境で。
人は背景によって意味が変わります。
だから環境も主人公なのであります。
【アフォーダンス撮影⑤】間を撮る
実は一番好きなのがここ。
話している瞬間ではなく、
✅話し終わった後。
✅笑う前。
✅涙が出る前。
✅深呼吸した瞬間。
✅考えている時間。
ここに人間らしさが詰まってるんですよね!
映像は、出来事ではなく
余韻を撮るものなのかもしれません。
【アフォーダンス撮影⑥】「誰のためか」が見えるカットを撮る
これも大切にしています。
例えば著者なら本ではない。
読者を見る。
講師ならステージではない。
参加者を見る。
経営者なら会社ではない。
社員を見る。
人は誰を大切にしているかで応援される。
だから、誰のために仕事をしているか
が見えるカットをいつも探してます。
【アフォーダンス撮影⑦】主役を撮るのではなく「変化」を撮る
ストーリーとは変化であります。
だから人物だけ撮っても物語にはなりません。
✅何かを決意した瞬間。
✅笑顔になる瞬間。
✅安心した瞬間。
✅迷いが消えた瞬間。
そこを撮るのです。
変化があるから映像になるのです。
カメラは心を写す道具
カメラは4Kで撮れます。
8Kでも撮れます。
でも、
解像度が高い映像と
心が動く映像は違うのです。
技術だけでは、
応援したくなる映像にはならない。
撮る人が何を見ようとしているか。
そこがすべて映像に出てしまうのです。
最後に
映像制作はカメラの仕事ではないと思ってます。実は人間観察をする仕事なのかなーと思うのです。
レンズを見る前に、
人を見る。
光を見る前に、
感情を見る。
構図を考える前に、
物語を見る。
そうすると、
何を撮ればいいかは自然と見えてきます。
私は20年以上撮影してきて、
特に一つだけ言えることがあります。
人の心を動かす映像は、技術だけでは撮れません。
人の心に興味を持った人だけが、人の心を動かす映像を撮ることができるのかなーと思ってます。
