外部の意見とAIに流されず、「自分の答え」をつくるために考えたこと
仕事で判断を求められたとき、すぐに自分の意見を出せる人を見ると、「どうしてそんなに考えがまとまるのだろう」と思うことがあります。
半年前、社長とやり取りする機会が増えた頃の私は、自分の知識を超える質問をされると、考えが止まってしまうことが何度もありました。
そんなときに言われたのが、
「外部パートナーはどう言っていた?」
「AIとは答え合わせをした?」
という言葉でした。
そこから私は、自分一人で無理に答えをひねり出すのではなく、外部の意見やAIの回答を参考にしながら考えるようになりました。
ところが、調べる習慣がついた一方で、今度は他者の意見をそのまま自分の答えにしてしまうという新しい課題が出てきたのです。
今回は、外部やAIの意見を活用しながら、自分なりの答えをつくるために考えたことを書いていきます。
自分の知識だけでは、答えを出せなかった
半年前から社長と仕事のやり取りをするようになり、自分の知識だけでは答えられない質問を受ける場面が増えました。
それまでは、ある程度決められた作業や、自分の経験の範囲内で判断することが多かったと思います。
しかし、社長とのやり取りでは、
「この施策は本当に必要なのか」
「なぜ、この対応方針になっているのか」
「あなた自身はどう考えているのか」
といった、単に作業内容を確認するだけでは答えられない質問をされます。
私は知識が足りないと感じると、急に自信がなくなり、考えることを止めてしまう傾向がありました。
「分からないので確認します」
もちろん、確認すること自体は悪くありません。
ただ、確認した内容をそのまま伝えるだけでは、私自身の考えはほとんど入っていません。
当時の私は、情報が足りないだけでなく、集めた情報から自分の意見をつくる方法が分かっていなかったのだと思います。
「外部パートナーはどう言っていた?」「AIとは答え合わせした?」
考えがまとまらず困っていたとき、社長から言われたのが、
「外部パートナーはどう言っていた?」
「AIと答え合わせはした?」
という言葉でした。
最初は、「自分で答えを出さなければいけないのに、他の人やAIに聞いてもいいのかな」と少し戸惑いました。
しかし、社長が求めていたのは、誰かの答えをコピーすることではありませんでした。
外部パートナーの専門的な意見や、AIが整理した情報を材料として集め、そのうえで自分なりに考えることだったのです。
自分の知識だけで考えると、どうしても見える範囲が限られます。
一方で、外部やAIの意見を取り入れることで、
自分が見落としていた視点
判断に必要な前提
メリットだけでなくリスク
他の選択肢や対応方法
にも気づけるようになります。
「分からないから止まる」のではなく、分からないから調べるという意識が、少しずつ身についていきました。
調べる習慣が身につき、以前より考えられるようになった
外部パートナーへの確認やAIとの答え合わせを繰り返すうちに、以前よりも調べる習慣がつきました。
何か質問を受けたときにも、すぐに「分かりません」と返すのではなく、
「過去の資料には何と書かれているか」
「外部パートナーはどのような意図で提案したのか」
「AIに論点を整理してもらうと、どんな見方ができるか」
と考えられるようになりました。
以前の私に比べれば、これは大きな変化です。
特にAIは、考えがまとまっていない段階でも使いやすい存在でした。
箇条書きの情報を渡せば論点を整理してくれますし、自分では思いつかなかった反対意見も出してくれます。
外部パートナーの意見についても、ただ「専門家が言っているから正しい」と考えるのではなく、その背景や目的を確認するきっかけになりました。
調べる材料が増えたことで、少しずつですが、以前より自分の意見を組み立てやすくなったと思います。
気づけば、他人の意見をそのまま自分の答えにしていた
ところが、調べることに慣れてきた頃、新しい問題が出てきました。
それは、外部パートナーやAIの意見に流されてしまうことです。
外部パートナーは専門知識を持っています。
AIも、こちらの質問に対して、もっともらしく分かりやすい回答を返してくれます。
そのため、
「専門家がそう言っているなら正しいだろう」
「AIも問題ないと言っているから大丈夫だろう」
と、十分に考えないまま納得してしまうことがありました。
そのまま社内に共有したあとで、
「本当にこの対応でいいのだろうか」
「自分は内容を理解して説明できるだろうか」
と違和感が残ることもありました。
調べた情報は増えているのに、なぜか自分の中で納得できていない。
それは、外部やAIの意見を参考情報ではなく、答えそのものとして受け取っていたからだと思います。
「正しそう」と「自分が納得できる」は同じではなかった
外部パートナーやAIの回答は、正しそうに見えます。
ただし、「正しそうに見えること」と「自分が理解し、納得していること」は同じではありません。
たとえばAIが、
「この対応方針で問題ありません」
と回答したとしても、そこで終わってはいけません。
何を根拠に問題ないと判断したのか
反対の判断になるケースはないのか
今回の案件に本当に当てはまるのか
AIに渡した情報自体が不足していないか
まで確認しなければ、仕事上の判断材料としては弱いままです。
外部パートナーの意見も同じです。
経験や知識が豊富な相手であっても、社内事情や運用上の制約をすべて把握しているとは限りません。
だからこそ、意見を聞いたあとに、
「今回の目的に合っているか」
「実際に運用できる内容か」
「他の方法と比較しても最適か」
と、自分たちの状況に置き換えて考える必要があります。
意見が正しいかどうかだけでなく、自分が説明できるほど理解しているか。
そこまで確認して初めて、自分の答えに近づくのだと思います。
外部やAIの意見に、あえて疑問をぶつけてみる
最近は、外部パートナーやAIから意見をもらったとき、そのまま受け入れるのではなく、あえて疑問をぶつけるようにしています。
たとえば、
「なぜ、この対応が必要なのでしょうか」
「別の方法では駄目なのでしょうか」
「この判断のデメリットはありますか」
「反対意見があるとしたら、どのような内容ですか」
と聞いてみます。
AIに対しても、最初の回答だけで終わらせず、
「その判断の根拠を教えてください」
「今回の前提で見落としている点はありませんか」
「別の立場から反論してください」
と深掘りします。
すると、最初の回答では見えなかった前提や注意点が出てくることがあります。
外部の意見に疑問をぶつけるというと、相手を否定するように感じるかもしれません。
しかし、本来は否定するためではなく、自分が理解するための確認です。
分からないまま「分かりました」と受け取るよりも、疑問を伝えた方が、最終的にはお互いの認識を合わせやすくなると思います。
意見を集めるだけでなく、理由まで理解する
以前の私は、
「外部パートナーはこう言っていました」
「AIではこのような回答でした」
というところで止まりがちでした。
しかし、それだけでは情報を横流ししているだけです。
大切なのは、その意見が出てきた理由まで理解することです。
たとえば、外部パートナーが「このページは削除した方がよい」と言った場合でも、
検索流入が少ないからなのか
他ページと内容が重複しているからなのか
サイト全体の評価を分散させているからなのか
今後の運用負荷を減らすためなのか
によって、意味は大きく変わります。
理由を理解できれば、別の案件でも同じ考え方を応用できます。
反対に、結論だけを覚えていると、条件が少し変わっただけで判断できなくなります。
答えを集めるのではなく、考え方を学ぶ。
それが、自分の意見をつくるために必要な姿勢なのだと思います。
最後に「自分としてはどう考えるか」を言葉にする
外部パートナーやAIの意見を整理したあと、最近は最後に一つの問いを置くようにしています。
「では、自分としてはどう考えるのか」
たとえば、
「外部パートナーはA案を推奨している」
「AIではB案にもメリットがあると整理された」
「過去のデータを見ると、今回はA案の方が目的に合っている」
ここまで整理したうえで、
「そのため、私はA案で進めるのがよいと考えます。ただし、〇〇のリスクがあるため、事前に確認が必要です」
と言葉にします。
最初から立派な意見を出す必要はありません。
他の人の意見と同じ結論になっても構わないと思います。
大切なのは、
「誰かがそう言ったから」ではなく、
「自分はこういう理由で、そう考えた」
と説明できることです。
その一言があるだけで、ただの情報共有から、自分自身の提案や報告に変わっていく気がします。
自分の答えを持つことは、コミュニケーションにもつながる
私は以前から、ビジネス上のコミュニケーションを課題の一つとして感じています。
報告をするときに情報が足りなかったり、質問の意図を十分に理解できなかったり、自分の考えを言葉にできなかったりすることがありました。
今回学んだ「自分の答えをつくる」という考え方は、コミュニケーションにもつながっていると思います。
自分の考えが整理されていれば、
何を確認したいのか
どこまで分かっているのか
何に迷っているのか
最終的にどう進めたいのか
を相手に伝えやすくなります。
反対に、自分の中で考えがまとまっていないと、質問も報告も曖昧になってしまいます。
外部やAIとのやり取りを通して、自分の考えを整理する。
そして、整理した内容を相手に分かる形で伝える。
これは、単に仕事の正解を出すためだけでなく、相手と認識を合わせるためにも必要な力なのだと思います。
半年たって、ようやくスタートラインに立てた
社長とやり取りを始めてから、約半年がたちました。
外部パートナーやAIの意見を参考にしながら、自分の考えをまとめる意識は、以前より高まったと思います。
ただ、まだ完全にできているわけではありません。
今でも、AIの回答を見て安心してしまうことがあります。
外部の意見を聞いた瞬間に、「それが正しいのだろう」と思い込んでしまうこともあります。
それでも、自分が流されていることに少しずつ気づけるようになりました。
「この回答を、自分は本当に理解しているだろうか」
「自分の意見として説明できるだろうか」
と立ち止まれるようになっただけでも、以前とは違います。
半年かけて、ようやくスタートラインに立てた。
今はそのくらいの感覚です。
すぐに完璧を目指すのではなく、案件ごとに考え、確認し、言葉にすることを繰り返していきたいと思います。
まとめ:外部とAIは「答え」ではなく、自分で考えるための材料
外部パートナーの意見やAIの回答は、自分一人では見つけられなかった視点を与えてくれます。
分からないことを調べ、考えを整理するためには、とても心強い存在です。
ただし、誰かの意見をそのまま自分の答えにしてしまうと、あとから違和感が残ります。
だからこそ、
意見の根拠を確認する
分からない部分を深掘りする
反対意見やリスクも考える
最後に「自分はどう考えるか」を言葉にする
ことが大切なのだと思います。
外部やAIは、自分の代わりに考えてくれる存在ではありません。
自分の考えを深めるために、一緒に壁打ちをしてくれる存在です。
まだまだ学んでいる途中ですが、少しずつでも「自分の答え」を持って仕事に向き合えるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。
読者への呼びかけ
皆さんは、仕事で判断に迷ったとき、誰の意見を参考にしていますか?
上司、同僚、外部パートナー、そしてAI。
いろいろな意見を聞くほど、かえって自分の考えが分からなくなることもあると思います。
そんなときは、最後に一度だけ、
「自分としては、どう考えるのか」
と問いかけてみてください。
すぐに完璧な答えが出なくても、考えた理由を一つ言葉にするだけで、自分なりの答えをつくる第一歩になるかもしれません。
