全体像を見せる授業実践例⑥「学ぶ問題は自分たちで選ぶのが鉄則!」
みなさんこんにちは、数学meganeです。
突然ですが
「できる生徒は教える側に回る」
学校ではよく見られる光景です。
でも、それだけで本当に満足しているのでしょうか。
1年生の授業をしていると必ずと言っていいほど訪れる、学力差による間延び。
「教え合いに行ってあげてね!」
とは言うものの、生徒同士の関係性もあるので、全員に行くのが難しいというクラスもあるでしょう。
中には
「いろいろな問題に挑戦したい!!」
という生徒もいます。
個人的には苦手な生徒よりも得意な生徒を満足させる手法を考える方が難しいと思っています。
そんなとき、どうすればよいのか。
それを今回の実践例で紹介できればいいなと思っています。
それではいきます!
【1年生 数学 文字式の計算(同類項の計算)】
パーツ①「活性化」
T:「全員起立。前の4問、答えをペアに言ったら座ります。」
⇒ここで取り扱うのは次の4問
① 5x+7x
② 6y-2y
③ 4x-3x
④ -9a+6a
⇒時間がかかる生徒もいますが、ここは難なくクリア。
T:「続いてこの4問!ペアで確認。」
⇒これに関しては起立させません。
なぜか?
確実に分からない生徒がいるからです。
① 5y+y
② 6x-x
③ x-x
④ 2x-2x
係数が見えていないから「1」が隠れているということをきちんと理解できるようになるまでには、かなり時間がかかります。
ですから、今は焦らず、授業の中で何度も確認をしていけばよいのです。
パーツ②「同類項の計算(全体像)」
T:「今日はこんな問題を解きます。(7x+3-5x-6)」
T:「実際にどうやって解くか見せますね。」
⇒同類項をまとめる途中式を書き、答えまで示します。
T:「先生はどうやって計算してる?ペアに説明してください。」
S:「まず同じやつが近くになるように動かして、計算した。」
T:「いいですね。ではホワイトボードで隠します。途中式、答えをノートに再現してください。できたら持ってきます。」
⇒アクティブリコール的な要素を用いて計算のルールを確認させます。
それでもやはり一定数できない生徒はいるので、できる生徒に教え合いに行ってもらいます。
これに関してはみんなで全員クリアを目指すという同じ目標で取り組むようにします。
T:「全員出来ましたね。それでは確認です。1問書きます。解けたら持ってきます。」
⇒ここでは、さきほどできていた中間層の生徒ですら何人か間違え始めます。
中には文字の係数と定数部分を足し合わせてしまう生徒も出てきます。
そんなときも焦らず、できている生徒に教えに行ってもらいます。
ここも“全員ができること”をなんとか達成するために頑張ってもらいます。
全員ができたことを確認できたら次に移ります。
パーツ③「練習問題+難問シリーズ」
T:「全員出来たので、ここからは練習の時間です。教科書〇ページを開いてください。問〇をやります。」
T:「すぐにできる人用に難問シリーズも出しておきます。」
⇒ここで扱う難問シリーズというのは、かなり複雑で、できる生徒でも計算ミスが起こってしまいそうな内容です。
しかし、これが実は超重要!
できる生徒が“教えること”だけに回っていると、必ず間延びし、暇を持て余してしまいます。
得意な生徒は、自ら学びを広げる力を持っています。
だからこそ、自分たちで選択させるのです。
「教えてくれる人は教える」
「自分を高めたい人は難問を解く」
もちろん人に教えることでも知識の定着を図ることはできますが、いろいろな生徒がいるので、そこにも対応していかなければいけません。
そして、そうやって難問を解いてくれている間、私は苦手な生徒のところに行きながらアドバイスもできます。
見えないところでしっかりコントロールしていく必要があります。
特に中学校1年生というのは、心が安定しない時期でもあります。
「教え合いに行ってね!」と伝えても、なかなかうまくいかないこともしばしば…。
それなら今は自分たちがやりたいことを優先させてあげる方がいい。
その中で、誰かに聞かれて“教えること”の楽しさや意義を感じ取ることができれば、それだけで一つの成長につながりますよね!
そうやって気長に待っていけばいいんだと思います。
パーツ④「暗算練習+難問シリーズ」
T:「教科書の問題も終わった人が増えてきましたね。全員に、これからのことを言います。」
T:「今からやることを3つ言います。1つ目、教科書の問題が終わっていない人は何がなんでも終わらせる。2つ目、難問シリーズを解く。3つ目暗算練習です。」
⇒3つ目の暗算練習については、文字式の同類項の問題が20問ほど書かれたプリントを用意しておき、それを用いて暗算で解いていくというもの。
暗算で出来るようにすることは非常に大事ですし、文字式の計算や正負の数の計算も同時に練習できます。
授業時間は15分ほど残っていましたが、それぞれが自分のやりたいことを選んで時間を過ごしています。
教科書問題が2割、難問シリーズが1割、暗算練習が7割と言ったところでしょうか。
自分たちのやりたいことを選んで、間延びすることなく、一生懸命取り組んでいる姿は本当に素敵です。
最近では個別最適化という言葉をよく耳にします。
いろいろな方法で試行錯誤されていると思いますが、授業の本質は“全員”が満足することを目指しているはずです。
できる人が「教える人に回る」だけでは満足できないのです。
何度も言いますが、私は苦手な生徒への対応よりも中間層や得意な生徒への対応の方が難しいと思っています。
今でも苦労している部分はありますし、自分が完璧に「全員を満足させる授業ができている」なんて思っていません。
しかし、教え合いだけがすべてではないことに気が付けたとき、また一つ、「個別最適化」という言葉の奥深さを知ることができたと思っています。
“全体像を見せること”が苦手な生徒にとっての対応だとするなら、“個別最適化”はある意味で得意な生徒にとっての対応とも言えるのではないかと勝手に思っています。
難しいですが、これからも試行錯誤を繰り返していきます!
このnoteでは、
・授業でそのまま使える教材・授業展開
・思考力を育てる問題
・実際の授業実践、指導のコツ
を中心に発信していきます。
忙しい中でも「これなら使える」と思ってもらえるような、現場目線の即戦力になるような教材を届けたいと思っています。
