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spinel3
押入れの中のくま。10
ヒトの体をしたくまくんは、
さっきから冷蔵庫を全開にしたまま、
ずっと中を覗き込んでいる。
(くまくん、用がないなら、閉めて。
電気代、高いんだよ)
くまくんは、諦めたように
冷蔵庫をそっと閉じた。
「レイちゃん、食べるものが
なんにもないよ」
くまくんは、しょんぼりした顔で
私の方を見た。
――恐れていた事態が、ついに来た。
(くまくん、今日はお買い物しようか?)
「えっ? お買い物?
お外に出られるの?」
(うん。でも、約束事、守れそう?)
「人前で、レイちゃんと声をだして
話しちゃだめなんだよね?」
くまくんは、
得意げにそう言った。
好奇心でキラキラした目を見て、
やっぱりダメとは口が裂けても言えなかった。
――この任務、
無事に遂行するしかない!!
