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押し入れの中のくま。5

ピンポーン。

はっとして、
私とくまくんは
驚いて顔を見合わせた。

(誰か来た)
「ヒトが来た?」

(しっ、声出しちゃダメ。)

私は、
玄関先まで
静かに向かった。

私の体をしたくまくんは
心配そうに、
こっちを見ている。

ドンドンドン。
せわしなく、
ドアを叩く音。

くまの体は、
反射で、
靴箱の裏に隠れる。

「中野さーん、いないの?」
「勝手に休まれると困るんだよね」

―これは、
上司の島崎の声だ。

大変な事実に気が付く。

ここは、
オートロックじゃない。
鍵をかけた覚えがない。

島崎が、
ドアノブに
手をかける気配がする。

―絶体絶命。


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