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spinel3
押し入れの中のくま。6
ドアノブを回す音がする。
―やばい。
くまとして、
戦うべきか?
そんなことしたら、
あっという間に
捕獲されて
残されたくまくんは
どうなる?
扉が開けられた。
―もう、ダメだ。
「不用心だな、中野。どこだ?」
(くまくん、隠れて)
「え?」
座ったまま、人間の体をしたくまくんは、
私の方を見た。
島崎は、私の体を視界にとらえたはずだ。
「中野いるのなら、
返事くらいしろ」
くまの姿の私は、
震えて動けなくなっていた。
「ねぇ、
レイちゃん
どうしたらいい?」
私の体の中のくまくんは、
靴箱の裏に隠れた私にむかって
そう言った。
その姿は、
島崎には
異様にうつったんだろう
「中野?
お前、頭でもうったのか?」
「あたま?
レイちゃん、
ママにあいたい。
おやまに帰りたい。」
くまくんは
突然泣き出した。
島崎は、
何かを察したように、
部屋から出て行った。
―よくわからないが
助かったようだ。
