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いい人なのに、ときめかなかった夜

今日は女風の話ではありません。

仕事で何度か顔を合わせていた、密かに素敵だなと思っていた男性と連絡先を交換しました。

そのときは、少しだけ空気が変わった気がしていました。相手から私への好意も感じていて、もしかしてなにかが始まるかもしれないという予感を自分の中に見つけていたのです。

その人と初めて食事に行ったときの話をします。



お互い仕事関係で素性もわかっているということで、軽い出会いではありません。もし何かが始まるなら、きっと丁寧に順を踏むことになります。

いきなり距離が縮まることもないし、性的な話題にふれることもない。そういう空気ではない。

だからその夜が健全に終わったのは別に不自然なことではありませんでした。

会話はスムーズでした。沈黙に困ることもなく、気まずさもありません。気遣いもできる人で、きちんとしていました。

いわゆる「いい人」だったと思います。

でも、ドキドキ…がなかったのです。なんで?私こそこの人のこと素敵って思ってたのよね?


相手が私の目を見て話すたびに、ふと考えてしまったのです。

——この人と、キスできるだろうか。

考える必要もない段階なのに、頭のどこかが先に進もうとするのです。

その問いに対する身体の反応は、正直なものでした。

うーん……。

嫌ではない。拒絶でもない。でも…動かない。

「あ、これは始まらないかもしれない」と、そのとき静かにわかりました。

それでもほんの少しだけ、
「もし急に手を引かれたらどうだろう」と想像してみました。(我ながらしつこい)
想像の中でも、心は動きませんでした。

帰り道、少しだけ「あーあ…」と思いました。

せっかく条件の整った人なのに。ちゃんとした出会いなのに。

でも同時に、こんなことも思いました。


なんて面倒なんだろう、と。


丁寧に距離を縮め、健全な話題から始まり、時間をかけて信頼を積み上げ、その先にやっとふれるかふれないかの段階がある。

もちろん、それが普通です。

でも私は、もっと目的がはっきりしていて、もっと合理的で、もっと早く感情や身体にふれられる世界を知っています。

そこでは「ときめきたい」という欲求は遠回りせずに扱われます。




リアルが悪いわけではないですし、健全な夜が間違っているわけでもないです。

ただ私は自分がどんなテンポに慣れているのかをあらためて知っただけだったのです。

これなら目的をはっきり開示した上でのマッチングアプリのほうがまだ話が早い気がしました。

でもマチアプをするには、リスクだったり技術だったりそれはそれで別の問題があり…。

やっぱり今の私には女風が1番合ってるのかもなぁ、と再確認したのでした。

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