知らないふりをして、もう一度世界を見る。——Sufjan Stevens & Angelo De Augustine『A Beginner’s Mind』
2021年9月24日、Asthmatic Kitty RecordsよりリリースされたSufjan StevensとAngelo De Augustineによる共作アルバム。映画をモチーフに制作された全14曲は、アコースティックギターと二声のハーモニーを軸に、静かな問いかけを繰り返す。
Sufjan Stevens & Angelo De Augustineというデュオ
Sufjan Stevensはミシガン州出身のシンガーソングライター。バンジョー・ギター・ピアノを駆使した多層的なアレンジと詩的な歌詞で知られ、『Illinois』『Carrie & Lowell』などで世界的な評価を得てきた。
Angelo De Augustineはカリフォルニア出身のフォークシンガー。柔らかな声とシンプルなギターワークが持ち味で、本作ではふたりの声と音が溶け合い、どちらがどちらか判別しがたいほどに一体化している。
『A Beginner’s Mind』という一枚
レーベル:Asthmatic Kitty Records。全14曲、45分31秒。全曲Sufjan Stevens & Angelo De Augustine共作。アルバム制作のコンセプトは「映画を観た後の感情」——具体的な映画タイトルからインスピレーションを得た曲が並ぶ。
——知らないふりをして、もう一度世界を見る。
オープナー「Reach Out」はギターのアルペジオが朝露のように静かに降り積もる。「Olympus」では二声のハーモニーが天上へと昇るような高揚感を生み、「Fictional California」は名前の通り、どこにも存在しない理想の場所への憧れを歌う。「Lacrimae」(涙、の意)はアルバムの最後を飾るにふさわしい静けさで、全曲を余韻として引き受けていく。アコースティックでありながら重くなく、宗教的でありながら説教くさくない。
どんな朝に聴いてほしいか
7月の早朝、まだ蝉が鳴き始める前の静かな時間に。カーテン越しに白んでくる空を見ながら、コーヒーを淹れる前のひととき。
世界がまだ柔らかい、その45分間に。
TRACKLIST
1 Reach Out
2 Lady Macbeth In Chains
3 Back To Oz
4 The Pillar Of Souls
5 You Give Death A Bad Name
6 Beginner’s Mind
7 Olympus
8 Murder And Crime
9 (This Is) The Thing
10 It’s Your Own Body And Mind
11 Lost In The World
12 Fictional California
13 Cimmerian Shade
14 Lacrimae
知らないふりをして、もう一度世界を見る。
幻音社
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