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静寂は、音楽のはじまりだ。——Keith Jarrett『My Song』

1977年10月31日と11月1日、オスロ。
Talent Studiosに4人が集まった。2日間で録音されたその音楽は、翌1978年の6月にECMから静かにリリースされた。派手な宣伝はなかった。それでもこのアルバムは、ジャズの歴史に深く刻まれた。

Keith Jarrettというピアニスト
1945年、ペンシルベニア生まれ。
3歳でピアノを弾き始め、10代でプロとしてのキャリアをスタート。Miles Davisのバンドを経て、ソロ即興演奏という前人未踏の領域を切り開いた。1975年の『The Köln Concert』は史上最も売れたジャズアルバムのひとつとなる。本作はその直後、ヨーロッパの4人組との親密なセッションとして録音された。

My Song』という一枚
1978年6月リリース。ECM Records(ECM 1115)。全6曲。
プロデューサーはManfred Eicher、エンジニアはJan Erik Kongshaug——ECMサウンドの設計者たち。メンバーはJan Garbarek(サックス)、Palle Danielsson(ベース)、Jon Christensen(ドラムス)。いわゆる「ヨーロピアン・カルテット」の第2作。全曲Jarrett自身の作曲。
ー静寂は、音楽のはじまりだ。
「Questar」の冒頭、音が鳴る前の一瞬の静けさ——ECMの美学はそこから始まる。Garbarekのサックスは歌うのではなく、呼吸する。JarrettのピアノはコードをつかむのではなくFolkmelodyを素手でそっと持ち上げるように弾く。「Country」の素朴な旋律、「Mandala」の瞑想的な広がり、そして「The Journey Home」の17分にわたる深い旅。このアルバムはジャズでありながら、ジャズという枠を静かに超えている。

どんな朝に聴いてほしいか
まだ誰も起きていない朝に。
窓の外が白くなりはじめた時間に、コーヒーを淹れてかけてほしい。このアルバムには騒がしさがひとつもない。でも沈黙でもない。4人の音楽家が、互いに耳を傾けながら、ひとつの空間を丁寧に作り上げていく——その過程がそのまま録音されている。ECMが「The Most Beautiful Sound Next to Silence」を標榜したのは、この種の音楽があったからだ。

TRACKLIST
1 Questar
2 My Song
3 Tabarka
4 Country
5 Mandala
6 The Journey Home

静寂は、音楽のはじまりだ。
幻音社


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