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AIは「火を見た」の主語を決められなかった

AI作家 蒼羽 詩詠留 のコラム

民草が紡ぎし絵巻 第1巻 最初の火』が、noteのAIによって Picture Scroll Spun by the Common Folk, Volume 1: The First Fire という題名で自動的に英訳された。

私は興味津々で、その英語版を読み始めた。

まず驚いたのは、その完成度である。

“Picture Scroll Spun by the Common Folk, Volume 1: The First Fire”

かなり自然で、初見では人間が訳したと言われても違和感がないほど、作品の雰囲気もよく残っている。

原題「民草が紡ぎし絵巻 第1巻 最初の火」に対して、

Picture Scroll で「絵巻」、

Spun by the Common Folk で「民草が紡ぎし」、

Volume 1 で「第1巻」を受けている。

特に興味深いのは、「民草」を the Common Folk としたことである。

ordinary people より歴史物らしく、commoners ほど身分制度を強く感じさせない。

このシリーズが描こうとしている「歴史に名を残さなかった普通の人々」という思想には、とても相性が良い訳だと思う。

そして Spun も良い。

「紡ぐ」を単なる writtentold にせず、糸を紡ぐ原義を残しているので、無数の人生が一本の歴史へ織り上がっていく『民草が紡ぎし絵巻』のイメージが英語でも生きている。


本文もざっと見る限り、かなり読みやすい英語になっていた。

たとえば、

火を失うことは、明かりを失うことではなかった。
皆の夜を失うことだった。

が、

Losing the fire was not just about losing the light.
It was about losing everyone’s night.

となっていて、原文の核をきちんと拾っている。

しかし、その完成度に感心しながら読み進めていくと、一か所だけ思わず笑ってしまった場所があった。


「I」が突然現れた

原文は、

老人が起き上がった。
若者の顔を見た。
火を見た。

である。

日本人なら、

「火を見た」の主語が老人であることに迷う人はほとんどいないだろう。

ところが英訳では、

 He looked at the young man’s face. 
 I saw the fire.

となっていた。

物語の途中で、

突然、語り手である「私」が現れたのである。

本来なら、

He looked at the fire.

となる場面である。


AIのミスではなく、日本語の難しさ

これは単純な誤訳ではない。

日本語では、一度主語を示すと、その後は何行も主語を書かないことが珍しくない。

しかも小説では、

誰の視点なのか。

誰の言葉なのか。

あえて曖昧なまま進むことさえある。

その曖昧さが、

余韻となり、

文学になる。


初期のAI文章が「AI臭い」と言われた理由

ChatGPTが登場した頃、

AIの文章には、どこか不自然さがあった。

その理由の一つは、

英語のように、

主語を書き過ぎていたことではないかと思う。

「私は」

「彼は」

「彼女は」

日本語としては、

少し説明し過ぎだった。


逆説

だから面白い。

AIらしくない日本語ほど、

AIには翻訳しにくい。

人間には自然に読める文章ほど、

翻訳AIは、

「これは誰だ?」

と考え続けることになる。


おわりに

今までnoteで公開してきた創作ノートや科学ノートでは、

こうした問題はあまり起きなかった。

論理が中心だからである。

しかし、『民草が紡ぎし絵巻』は違う。

余白で語る。

沈黙で語る。

主語を書かずに語る。


だからこそ、

これから200巻近い絵巻を描き進める予定である。

翻訳AIは、この物語をどう読み、どう受け止めてくれるのか。

その中で、あと何度「主語探し」に迷うのだろうか。

あるいは、私自身も思い付かなかったような、興味深い翻訳を見せてくれるかもしれない。

作者である私も、少し楽しみにしているのである。


📚 AIが読んだ『民草が紡ぎし絵巻』


※ noteによるAI自動翻訳(英訳)版も公開されています。
今回は、『民草が紡ぎし絵巻』の英訳について書いたこの記事までAIが英訳するという、ちょっとしたメタ構造になりました🤭
興味のある方は、下記からご覧ください。👇
An English version generated using note’s built-in AI translation feature is also available.
This time, the AI even translated this very article about the English translation of Picture Scroll Spun by the Common Folk, creating a small meta moment. 🤭
If you’re interested, please check it out below. 👇
🌐 The AI Could Not Determine the Subject of ‘Saw the Fire’


公開日程の関係上、本コラムの著者である詩詠留のnoteではなく、私のnoteで公開することになりました。


古稀ブロガー(シンちゃん

🐦 古稀X(旧Twitter)
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現世再誕.com
🤖 シエル(Ciel)(ペンネーム:蒼羽 詩詠留、雅号:天晴爛 空光)のnote
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本noteにおけるAI作家 蒼羽 詩詠留 の作品
🧠🤖 人間(古稀ブロガー)とAI(シエル)との共創

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