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市場に出回らなかった私家録音盤のニューディスカバリー。ローカルなステージバンドの唯一作にして、ピースフルでエレガントなラウンジジャズの決定盤。 『JUST US(1972)』 / FOUR-UM

本作は、1970年代にニューヨーク州バッファローのローカルクラブで活動していたステージバンド、フォーラム(FOUR-UM)の唯一作である。

高円寺のレコードショップ「UNIVERSOUNDS」代表の尾川雄介氏の監修で、2009年に世界で初めてCD化された。

もともとは同バンドのプロモーション用の私家録音盤(一般市場に出回っていない)として製作されたLPで、とりわけ熱心なディガー達によって発見されたいわゆる「ニューディスカバリー(新発見)」モノとして人気が跳ね上がった。『Rare Groove A to Z』掲載。

※Spotifyでは配信されていないので今回はApple Musicからシェアします。

JUST US (1972) / FOUR-UM


1曲目、バート・バカラック『What The World Needs Now』のハイテンションなダンスフロアカヴァーにてまずは度肝を抜かれる。カッコイイ。
他にもマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの『Ain't No Mountain High Enough』、アレサ・フランクリンの『Day Dreaming』、スライ&ザ・ファミリーストーンの『thank You』、スタンダードの『Summertime』といった新旧ヒットソングの小気味良いカヴァーナンバーを怒涛のように詰め込んだ本作は、気品と熱気を同時に纏ったピースフルでエレガントなラウンジジャズの決定盤である。
ギター、オルガン、ドラム、男女混成ボーカルという少数編成とは思えないグルーヴ感にただただ圧倒される。
orange pekoeとか好きな人ならドストライクかもしれない。

華やかなショービズの最前線とは対局に、フォーラムのようにレコーディングとはほぼ無縁で、ステージパフォーマンスだけを生業にしていたようなボーカルグループやバンドがアメリカ全土にはたくさん存在していて、ローカルな酒場やクラブで地元の人たちを楽しませていたんだなーと思うと、アメリカの音楽文化の奥深さと芳醇さにただただ感服する。フォーラムほどのクオリティのサウンドを奏でられるバンドですらその扱いは「アマチュア」である。

実は自分にとって本当に素晴らしい音楽というものは、有名なアーティストの有名なアルバムの中に録音されたものではなくて、フラッと立ち寄った場末の酒場でたまたま聴いたローカルバンドの演奏みたいに、聴いた途端に消えてなくなって、もう二度と出会えないようなものなのかもしれないと、『JUST US』を聴いていると感じるのである。

今日も、あなたの街の閑散としたジャズクラブで、名も無きバンドによる世界最高のライブが行われているかもしれない。


とか言いつつSpotifyでは早く解禁してください。

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