世界中の旅先で音楽をスケッチするドローンアンビエント作家Celer(セラー)。
Celer(セラー)は、2005年にカリフォルニア州で結成されたウィル・ロング(以下ウィル)とダニエル・バケット=ロング夫妻によるドローンユニット。
2009年に妻のダニエル・バケットが逝去して以降はウィルのソロプロジェクトとなっている。
ウィルは2010年に自主レーベルTwo Acornを立ち上げ、2011年より神奈川県に移住。現在は日本を拠点に創作活動をおこなっている。
メロディやリズムを排除したドローンミュージックはその特性上「どの曲も同じに聴こえる」音楽であり、曲単位どころかアーティスト毎の違いもかなり曖昧なので、例えばティム・ヘッカーとジェフリー・キャントゥ=レデスマどちらかの未聴の1トラックを聴いて「さて、どっちが作った曲でしょう?」みたいな質問に答えるのは、よっぽどドローンを聴き込んだ好事家でないと難しい。自分は無理。
加えてドローンミュージックは前衛音楽の一領域としてのアカデミックな側面と同時に、ヒーリングやトランスメディテーション(瞑想)のツールとしての側面も持っていて、東洋思想にかぶれた意識高い系の西洋人なんかがヨガとかピラティスのバックミュージックに使うような「聴く」よりも「感じる」環境音楽としてジャンル総体で消費される場合も多いので、アーティスト索引に小慣れた音楽ファンがアプローチしようとするとジャムの法則よろしく「どこから手を付けたらいいかわからない」取っ付きづらさがある。
そんな中でもCelerのドローンミュージックは、世界各地でのフィールドレコーディング素材をふんだんに取り入れたノスタルジックなサウンドが特徴で、完全なメディテーション向けというよりはもうちょっとエモめなアプローチをしている。「単なるBGMとして聴き逃せない」ドラマ性とオリジナリティがあって輪郭が掴みやすい。
とは言いつつ、Celerは2026年現在までリリース作品が優に100枚を越える非常に多作なプロジェクトとしても知られていて、bandcampでもSpotifyでも幾らスクロールしても延々とアルバムが表示され続けるアーティストなので、新規層は結局やっぱり入門に困るということで、今回は私がCelerのおすすめアルバムを厳選してご紹介。
Discourses of the Withered(2008) / Celer
ダニエル・バケット在籍時の初期の人気作。
Engaged Touches(2009) / Celer
こちらもダニエル・バケット在籍期のインドフィールドREC作。
Epicentral Examples of the More or Less(2012) / Celer
インドネシアフィールドREC作。
Sky Limits(2014) / Celer
京都インスパイア作。
How could you believe me when I said I loved you when you know I've been a liar all my life(2015) / Celer
アメリカ南西部インスパイア作。
Two days and one night(2016) / Celer
チュニジアフィールドREC作。
Xièxie(2019) / Celer
中国フィールドREC作。
Malaria(2021) / Celer
フィリピンインスパイア作。
膨大なリリース作の中からあなただけのお気に入りのアルバムを見つけ出すのもCelerの楽しみ方だったりします。
アートワークとリンクしたようなサウンドをしっかり聴かせてくれるアーティストなので、片っ端から見た目のフィーリングでジャケ聴きしてみてもいいかもしれません。
Celerはフランス語で「秘密にする」と言う意味です。
あななただけの秘密のCelerを見つけてチルチルしてください。
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