【1週間ロードマップ】無料で始める社内AIルールの最小セット — 月曜から金曜で「何もない」を卒業する
「ChatGPTって使っていいんですか?」と現場に聞かれて、答えに詰まったことはないでしょうか。ルールがない状態は「自由」ではなく、社員それぞれが自己判断でAIに社内情報を入れている状態です。
かといって、立派なガイドラインを作ろうとすると数ヶ月かかります。そこでこの記事では、費用ゼロ・1週間・担当者1人でつくれる最小セットを、月曜から金曜のロードマップにしました。そのままコピペして使ってください。※所要時間は「起案作業」の目安です。上司の承認や周知にかかる時間は職場によって別途かかります(それでも数ヶ月コースとは桁が違います)。

月曜: 実態を知る(30分)
まず「誰が・どのAIを・何に使っているか」を把握します。匿名アンケート1問で十分です。
□ 実施した
質問文(コピペ可): 「業務でAIツール(ChatGPT等)を使ったことがありますか? 使ったことがある方は、ツール名と用途を教えてください(匿名・正直回答歓迎・回答による不利益なし)」
ポイントは「不利益なし」の明記です。目的は取り締まりではなく実態把握です。正直に答えてもらえないと、ルールが実態とずれます。※ただし「不利益なし」は会社としての約束になるので、アンケートを出す前に上司(可能なら人事)の了解を取ってから明記してください。担当者の一存で約束しないのが安全です。
火曜: 情報の3分類を決める(1時間)
AIに入れてよい情報の線引きをします。最初は3分類で十分です。
□ 決めた
・公開してよい情報(Webに載っている情報・一般知識)→ AIに入れてOK
・社内限りの情報(未発表の企画・社内数値)→ 会社が承認し、契約内容(入力を学習に使わないか・保存期間・アクセス制御)を確認した環境でのみ入れてよい。「法人向け」という名前だけでは判断しない
・機微情報(個人情報・顧客データ・認証情報)→ AIに入れない(個別の承認がある場合を除く)
迷ったら1段階厳しい方に倒す、を初期ルールにします。
水曜: 最小ルール3ヶ条を書く(1時間)
長い規程は読まれません。最初は3ヶ条です。
□ 書いた
機微情報(個人情報・顧客データ・パスワード)をAIに入力しない
AIの出力は、人間が事実確認してから業務に使う
業務で使うAIツールは会社に申告する(申告=禁止ではありません)
2番は実害が出ている項目です。実例として、カナダではエア・カナダのチャットボットが誤った案内をした責任が問われ、審判所が賠償を命じました(出典: McCarthy Tétrault法律事務所の判例解説 https://www.mccarthy.ca/en/insights/blogs/techlex/moffatt-v-air-canada-misrepresentation-ai-chatbot )。カナダの判断がそのまま日本に適用されるわけではありませんが、「AIが言ったことは会社が言ったこと」として扱われる方向は、日本でも同じと考えて備えるのが安全です。
木曜: 1枚で周知する(30分)
□ 周知した
周知文(コピペ可): 「本日からAI利用の最小ルールを始めます。①機微情報を入れない ②出力は確認してから使う ③使うツールは申告する、の3つだけです。禁止ではなく、安心して使うためのルールです。質問・相談は【担当者名】まで」
「禁止ではない」と明言するのが重要です。禁止に見えると、申告されない「隠れAI利用」が増え、把握できないリスクだけが残ります。
金曜: 窓口と見直し日を決める(15分)
□ 決めた
・相談窓口: 【担当者名を記入】
・次回見直し日: 【3ヶ月後の日付を記入】
ルールは作って終わりではなく、使われ方を見て直すものです。3ヶ月後の見直し日をカレンダーに入れた時点で、この1週間は完了です。
この先へ進みたくなったら
最小セットで回り始めたら、次は条文形式の本格版です。8条構成のガイドラインひな形(コピペ可・無料)を公開しています → https://note.com/genten_kei/n/n53a19a110667
AIエージェント(実行するAI)の導入を検討する段階になったら、導入前チェックリストとベンダーへの質問集もどうぞ(いずれも無料マガジン「AI導入実務テンプレ倉庫」に収録しています)。
用語集
・機微情報: 個人情報や顧客データなど、漏れたときの影響がとくに大きい情報
・法人向けAI: 企業契約で提供されるAIサービス。入力を学習に使わない設定等が選べることが多いが、契約内容の確認が前提
本テンプレはAI(Claude)を活用して作成し、公開前に人間がレビューしています。
