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いざという時、大切な人を救えるか。現役医療従事者が教える「怖くない」心肺蘇生法(前編)

押忍!空手家パパです。

これまで「受け身」や「身体操作」、「お金の話」など、ただひたすらおじさんが好きな話を垂れ流してましたが、、、

実は私、あえて本業のことは避けてました。

noteは本業を忘れ、自分の趣味を語る世界にしたかったからです。

ですが、最近若い子に救命関係の講習をやる機会がありまして、

「まずはやるという勇気を持てるようにしてあげなきゃいけない」とか「誰もが緊急時に行動ができるようにするのが大切」とか、おじさん自分で語ってるんですよね。

なのに自分自身は誰かのために発信してないやないかい!ぐふ!

ですから今日は私、気持ち入れ替えました🙇‍♂️

医療の現場にいる人間として、家族や大切な人の命が止まりそうな時、それを外側から繋ぎ止める究極の防衛術「心肺蘇生法(CPR)」の構造についてお話しさせてください。

いざという時に誰かのためになる技術、その片鱗でも掴んでいただけると嬉しいです!


■ 1. なぜ胸を押すのか?(心臓というポンプの物理構造)

心肺蘇生法(胸骨圧迫/心臓マッサージ)と聞いて、「とにかく胸を強く押すんでしょ?」と知っている方は多いと思います。

でも、なぜ押すのかわかりますか?

心臓は、体中を巡る血液のポンプです。

ドックン、ドックンと「広がって、縮んで」を繰り返すことで、全身の細胞や脳に酸素を届けています。

心停止というのは、このポンプが止まってしまった状態です。

そのまま放置すれば、脳に酸素がいかずシステムが完全にシャットダウンしてしまいます。

だから、外から胸の骨ごと無理やり圧力をかけて心臓を物理的に潰し、圧を抜いて広げる。
胸全体の圧の変化で血液を流すイメージです。

自分の手を使って、止まったポンプを外から強制的に手動で動かす作業。

これが、胸を押す最大の理由です。

■ 2. 【ルールの変更】人工呼吸はしなくていい?

昔、「胸を押して、口から息を吹き込む(人工呼吸)」と習ったお父さん・お母さんも多いはずです。

しかし現在、一般の方が倒れている大人を助ける場合、「人工呼吸は(無理なら)しなくていい。ひたすら胸を押し続けてください」というルールにアップデートされています。
※と言いつつも、できる人・訓練を受けた人は行ってもよい。

理由は2つあります。

1. 人工呼吸は難易度が高い: 焦っているとうまく空気が入らず、その間「胸を押す(ポンプを動かす)」という一番大事な作業が止まってしまうバグが起きるから。

2. 血液の中に酸素の貯金がある: 倒れた直後なら、体の中の血液にはまだ十分な酸素が溶け込んでいます。外から無理に空気を入れなくても、ポンプを手動で回してあげるだけで、しばらくは脳に酸素を届けることができます。

⚠️ 【超重要】ただし「子供」と「溺れた人」は例外!

大人は心臓のトラブルで倒れることが多いですが、子供が心肺停止になる原因のほとんどは「窒息などの呼吸停止」からです。

最初から体内の酸素がすっからかんになっているため、子供の場合は人工呼吸が必要になります。
(※子供向けの蘇生法については、また別の機会に詳しくやりますね!)

■ 3. 実行前の絶対ルール:まずは自分の「陣地」を確保せよ

さて、ここからが今日一番伝えたいことです。

目の前で人が倒れているのを発見した時。あなたが最初にやるべきことは、胸を押すことではありません。

「周りの安全を確認し、自分の身(陣地)を守ること」です。

• 高速道路や車道で倒れていないか?(助けに行って自分が轢かれたら二次災害です)
• 悪意を持った人間(犯人)がうろついていないか?

もし危険があるなら、安全な場所まで移動させるか、最悪の場合は蘇生を断念して逃げるしかありません。

基本、自分の命を危険に晒してはいけません!

■ 4. 反応がなければ、即「ヘルプ」を呼ぶ

自分の安全が確認できたら、倒れている人に近づき、肩をトントンと叩きながら声をかけます。

ここで「うー」などの反応がなく、意識がないと判断したら、その人の心臓が止まっているかどうかは実は関係ありません。

「息をしているかどうかわからない」「あえぐような呼吸」「動いてるけどなんか変」と少しでも迷ったら、
すぐに周りの人に「あなたは119番に電話してください!」「あなたはAEDを持ってきてください!」と具体的に指示を出して助けを求めてください。

「もし自分一人しかいなかったら?パニックでうまく喋れる自信がない…」という方も、安心してください。

誰もいない一人の状況なら、自分でスマホから119番通報し、「スピーカーモード」にして自分の横に置いてください。

電話の向こうのプロ(指令員)が、「今はこうしてください」「次はこうして」と、心臓マッサージのリズムまで一緒に数えてリードしてくれます。あなたは一人じゃありません。

プロが耳元で一緒に戦ってくれます。

「安全を確保し、ヘルプを呼ぶ(システムを起動する)」。

胸を押すのは、この準備が完璧に整ってからです。

次回【後編】では、
「骨折するくらい押していいのか?」
「何cm押すのか」
「リズムはどれくらいか」
などなど、読者の方が一番怖がっているであろう「生きてる人にやっちゃったらどうなるの?」という疑問の解消と、いよいよ実際に「どうやって胸を押すのか」、その具体的な構造について解説します。

自分の陣地(家族の命)は、知識をアップデートして守り抜こう。

共に戦いましょう。押忍!



ではいよいよ後編!実際の心肺蘇生法のやり方はこちら!💁

押忍!

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