力で引かない「魔法の崩し」と「当身」の正体。空手家パパが語るマニアック武道論
押忍!空手家パパです。
今回は「これを読めば子育てが楽になる!」みたいな話は一切合切ありません。
お父さん、お母さん、お時間とらせてごめんなさい。無駄な時間使う前に今回は戻る矢印押してください。今なら間に合います。
では改めて、書きたくて書く、ただひたすらに、私が愛してやまない「超絶マニアックな身体操作」について今回は語ります。
しかもこれは空手家パパが色々な武道を渡り歩いて会得したもので、指導もしていますが、あくまで私個人の経験と見解です。
武道や身体の構造に興味があり、多動おじさんの話聞いてやるかと寛容な方だけ、この先にお進みください。
■ 力で引かない「崩し」
二本足で立つ人間を崩す時、物理学的には「両足を結んだ線を底辺にした三角形の頂点(前後)に重心を落とす」と一番崩れる、とよく説明されます。
その通りです。
でも今日話したいのは、もっと不思議な「触れて相手を崩す方法」です。
やり方は、「力強く腕を握って引く」のではなく、『皮膚の表面だけをさするように、または相手の肘関節部分に引っ掛けるように、フワッと引く」んです。
赤ちゃんに触れるような優しいイメージだと上手くいきます。
なぜこれが効くのか。
あくまで予測ですが、力強くガシッと握られて引っ張られると、人間は本能で「危ない!」と筋肉を固めて抵抗(ふんばる)できます。
しかし、この方法で皮膚だけをふんわり引かれると、脳の「抵抗スイッチ」が入りません。
抵抗できないため弱い力なのに大きく崩されます。「おっとっと」とやられてる側も勝手に足が前に出てしまう不思議な感覚をあじわえます。
これが私の言う「崩し」です。
⚠️ 【ただし、魔法ではありません】
誤解のないように言っておきますが、これをやれば誰でもバタバタ倒せるわけではありません。
完全に警戒して重心を落としている相手には、フワッと触っても「なに触ってんの?きもっ!」で終わります(笑)。
相手より自分が良い姿勢(安定)していることが崩しを成立させる条件です。
そのため後述する当身を活用することによって技となります。
自分の「中心軸(自然な姿勢)」を保ち、自分の体重移動や足さばきと連動させること、さらに強烈に相手の構造をずらすことができます。
※自然の状態、強い姿勢はこちらの記事で説明してます。
■ 武道に通底する「ずらす」感覚
この「力まない崩し」ですが、武道の多くで共通する原理だと思っています。
* 空手の受け:力でガチン!と弾き返すのではなく、受け手を用いて突いてきた相手の力に「添えてずらす」ふんわりとした用法です。(糸東流の話です。流派によるかも)
* 合気道:指導で明確に言われるわけではありません。しかし合気道で大切にする「中心」を意識して自分の姿勢を保ち、手で無理やり押すのではなく手は触れたまま、握られたところはそのままにして、足さばきで相手を崩していく。
力を衝突させず自然とずらす動きになります。
* 古武術:私が教えていただいたある流派では、投げ技の入りはこの「緩やかな崩し」と足を動かしたずらし、あと急所への容赦ない一撃(普通使えないね)を多用します。
人間は、相手が力で向かってくると反射的にこちらも力んでしまいます。
力と力でぶつかり合いたくなるものなんだと思います。
しかし、そこで「自然」を意識し、「表面をずらすような感覚」を持つこと。これがすべての「投げ」や「崩し」に通ずる私が修得した真髄です。
■ 「当身(あてみ)」は殴るにあらず
崩しと合わせて使われる「当身」についても説明させてください。
当身=「鼻っ柱を全力で殴る物理攻撃」だと、脳筋だった私は思っていました。
しかし、以前合気道の先生から「当身は、あてるにあらず」というありがたい言葉をいただきました。
当てなくていいんです。むしろ当てない方がいい。
名前が当身なのに詐欺やん!となりますが、当てて痛みを与えると人は反射的に抵抗するように力んで崩しにくくなるし(抵抗された方向に投げる人もいますが、それとは別の原理)
本当の目的はダメージではなく「相手をのけぞらせ、その場で固めてしまう(フリーズさせる)こと」だからです。
想像してみてください。
目の前に突然「大きな蜂」が飛んできたら、うわっ!とのけぞりますよね。当身は、自分の拳でその「蜂」をやるイメージです。
顔面に向けてスパッと寸止めする。相手は反射的にビクッとのけぞり、姿勢が崩れ固まります。そこへ先ほどの「崩し」を合わせれば、簡単に投げることができます。
⚠️ 【絶対に真似しないでください】
当たり前ですが、初心の方が遊びで顔面に拳を出してはいけません!距離感を間違えて本当に当たったら大怪我になります。
これはあくまで、道場という安全でコントロールされた環境の中で、指導者のもと稽古してください。
スポーツ保険も入ってください。
■ 空手の組手にも「投げ」がある
ちなみに「空手=打撃」のイメージが強いですが、実は組手には投げ技が存在します。
ただ、柔道のようにガッツリ道着を掴んで投げるのは戒められています。
危ないからね。
ではどうするか。相手が攻撃してきて「自らバランスが崩れた瞬間」または「至近距離で接触し止まった瞬間」に、この「崩し」の原理を合わせて投げる(足払いでずらす)んです。
私見ですが、今回の記事の崩しの意識があると上達が早いと感じます。
■ 最後に
はい、ここまで読んで「で、これが明日の生活の何に役立つの?」と思った方。
正解です。直接は何の役にも立ちません(笑)。
この話をすると妻も遠い目になります。
ただ武道好きおじさんの1人語りです。
ただ、「相手の力に力でぶつかるのではなく、自分の姿勢を保ち、フワッとずらす」。
この人間の身体構造の面白さや、武道の奥深さが少しでも伝われば、本望です。
自分の陣地(姿勢と力み)は、自分で整えよう。
共に戦いましょう。押忍!
技を成立させるには脱力が大事です。その記事はこちら💁
ごちゃごちゃうるせえ!殴らせろって方はこちら💁その考え大好きです😀
押忍!
