💧世界で一番小さな奇跡🌼
🌼はじめに🌼
今回も片桐みかんさんの
【第59回】3つのお題に空想のひらめきを
のお題から描かせていただきました。
いつも素敵なお題と画像
ありがとうございます😊
💧世界で一番小さな奇跡🌼
えみたん作
朝と夜の境目にだけ現れる、
小さな国がありました。
その国の名前は、
ルミナリア。
地図には載っていません。
人間の目にも、
ほとんど見えません。

けれど、
誰かが心の奥で、
「もう一度、
信じてみたい」
と願ったとき、
その人の近くに、
ほんの一瞬だけ姿を現すのです。
ルミナリアには、
空まで続く花畑がありました。

夜露をまとった花々は、
星のように輝き、
透明なシャボン玉の中には、
人々が忘れてしまった
夢が眠っています。
幼いころに
なりたかったもの。
大切な人と
交わした約束。
誰にも言えず、
胸の奥にしまった願い。
それらは消えてしまった
のではありません。

小さな光の粒になって、
ルミナリアの花畑へ
運ばれてくるのです。
その夢を守っているのが、
手のひらほどの妖精、
リリィでした。
リリィの仕事は、
夜明け前に花畑を歩き、
輝きを失いかけた夢に、
光のしずくを与えること。

けれど、
ある朝のことです。
花畑の真ん中に、
これまで見たことのない
透明な球が現れました。
球の中には、
まだ芽を出したばかりの
小さな植物が一本。
細い茎。
二枚の葉。
今にも消えてしまいそうな、
淡い光。

リリィが耳を澄ますと、
球の中から、
かすかな声が聞こえました。
「わたしにも……
できるかな」
それは、
人間の世界に暮らす
一人の女の子の願いでした。

女の子は絵を描くことが
大好きでした。
けれど、
誰かに見せるたび、
「上手じゃないね」
「そんな夢、
かなわないよ」
と言われ、
少しずつ描くことを
やめてしまったのです。

それでも心の奥には、
ほんの小さな願いが
残っていました。
――いつか、
自分の絵で誰かを
笑顔にしたい。
その願いが、
小さな芽に
なっていたのでした。

ところが、
その芽はとても弱く、
リリィの光のしずくを与えても、
なかなか元気になりません。
「どうすれば、
この子の夢を守れるの?」
リリィが困っていると、
花畑の向こうから、
古びた銀色の鍵が
転がってきました。

その鍵は、
夢の扉を開くためのもの。
ただし、
扉を開けるには、
妖精の魔法だけでは
足りません。
夢を持つ本人が、
自分の力で小さな一歩を
踏み出さなければならないのです。

リリィは透明な球に
両手を当てました。
「大きなことを
しなくてもいいの」
「もう一度、
鉛筆を持つだけでいい」
その声は風に乗り、
眠っている女の子の部屋まで
届きました。

翌朝。
女の子は、
机の引き出しから、
久しぶりに色鉛筆を
取り出しました。
白い紙を前にして、
しばらく迷いました。
何を描けばいいのか
分かりません。

上手に描ける
自信もありません。
それでも、
紙の真ん中に小さな芽を
一本描きました。
二枚の葉をつけた、
頼りない芽。
そして、
その隣に小さな妖精を
描きました。

その瞬間。
ルミナリアの透明な球に、
まぶしい光が満ちました。
芽は少しだけ背を伸ばし、
新しい葉を一枚、
そっと開きました。

花畑には虹がかかり、
眠っていた夢のシャボン玉が、
一斉に空へ舞い上がりました。
リリィは、
うれしそうに微笑みました。
女の子の絵は、
まだ誰にも知られていません。
賞を取ったわけでもありません。

夢がかなったわけでも
ありません。
ただ、
もう一度、
鉛筆を握っただけ。
けれどルミナリアでは、
それをこう呼びます。
世界で一番小さな奇跡。

奇跡とは、
突然すべてが変わることでは
ありません。
あきらめかけた心に、
もう一度、
小さな芽が生まれること。
怖くても、
ほんの少し前を向くこと。
昨日できなかったことを、
今日、
ひとつだけ始めてみること。

誰にも見えないほど
小さな一歩が、
やがて未来の扉を
開く鍵になるのです。
そして今夜も、
ルミナリアの花畑では、
新しい夢の芽が一つ、
静かに光っています。
その芽は、
もしかすると――
あなたの心から
生まれたものかもしれません。

🌈あとがき🌈
今回もみかんさんのお題に
楽しく参加させて頂きました。
素敵な世界観でした。
いつもありがとうございます。
また参加させて頂きたいです。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました😊
絵本作りと日々の記録も
つぶやいていこうかなと思います。
看護と絵本。
形は違っても
『誰かの心を温めたい』
という想いは一つです。
あなたの応援が、
新しい物語の種になります。
コメント、好き❤️励みになります。

