なぜ近年、日本政府への信頼と評価が低下しているのか
――私たちの暮らしはこの先どうなるのか
かつて日本は、多くの国民が「安定した国だ」と信じられる社会だった。
日本国債は安全だと言われ、円も安心できる通貨として世界で評価されていた。
しかし近年、日本の将来に対して不安を感じる国民は確実に増えている。
実際、世界の格付け機関である
S&P(スタンダード&プアーズ)
ムーディーズ
フィッチ
は、日本国債の評価を長い年月をかけて引き下げてきた。
例えば、日本国債の格付けは1990年代には世界最高水準だったが、その後は段階的に引き下げられている。
ムーディーズは1998年時点で日本を「Aaa」としていたが、現在は「A1」
S&Pもかつての「AAA」から現在は「A+」
フィッチも「AAA」から「A」水準へ低下
というように、数十年単位で見ると、日本政府に対する国際的な信用力は確実に弱まっている。
これは単なる一時的な評価ではなく、
巨額の政府債務
長期的な経済停滞
少子高齢化
成長力の低下
などが総合的に懸念されているためだ。
実際、日本の政府債務残高はGDP比で260%前後と、主要先進国の中でも突出して高い水準にある。
アメリカはおよそ120%前後、ドイツは60%台であり、日本の財政負担の大きさは世界的に見ても異例と言われている。
さらに、日本経済は1990年代のバブル崩壊以降、長期停滞から完全には抜け出せていない。
名目GDPでは、日本はかつて世界2位の経済大国だったが、現在ではドイツにも抜かれ世界4位となった。
また、実質賃金も長期的には伸び悩みが続いている。
OECDのデータでは、日本の実質賃金は過去20年以上ほぼ横ばいで推移しており、先進国の中でも低い成長率となっている。
かつて最高水準だった日本の評価も、現在では以前ほどの強さはなくなっている。
もちろん、すぐに日本が危機に陥るという話ではない。
ただ、多くの国民が気になっているのは、
「なぜ日本は長く停滞しているのか」
という点ではないだろうか。
大きな問題は、日本政府が将来への成長よりも、目先の安定維持を優先してきたように見えることだ。
長年にわたり政府は、
国債発行
金融緩和
補助金
財政出動
などを繰り返してきた。
その結果、景気を下支えする効果はあった。
しかし一方で、
実質賃金が上がりにくい
若い世代の生活が苦しい
少子化が改善しない
新しい産業が育ちにくい
といった問題は、今も十分に解決されていない。
そのため、多くの国民が「日本は豊かな国のままなのか」と不安を抱えている。
さらに気になるのは、政府から強い危機感があまり伝わってこないことだ。
政府債務はGDPの2倍を超える規模になっているが、
「日本国債は国内で消化されているから大丈夫」
という説明ばかりが繰り返される。
