楽しい言い訳
子どもとのやりとりが
楽しくてたまらなかった‥
連休が明けた朝でした。
次男は、なかなか支度を始めませんでした。
「今日は、子ども園、行きたくないな」
その声を聞いたとき、私はまず、少し身構えました。
連休明けの朝‥
理由を聞けば、きっと何かあるのだろう、と思ったのです。
理由をたずねると、次男は少し間をおいてから話し始めました。
「今日はね、おじいちゃんとおばあちゃんに、畑の作業を手伝ってほしいって頼まれたんよ。だから、子ども園お休みしてねって言われた」
休みたかった次男が、
一生懸命考えた理由だったのだと思います。
「ママ、2人から聞いてないよ」
そう伝えると、次男の表情が一瞬止まりました。
少し考えてから、困ったように言いました。
「あー、ばぁば、忙しかったから、ママに言うの、忘れてたんよ」
その言い方が、妙に一生懸命で、
私は少し肩の力が抜けました。
休みたい気持ちを、
どうにか言葉にしようとしている。
そう思ったら、
このやりとりを終わらせるより、
続きを聞きたくなっていました。
私は、少し間をあけて、別の話を振りました。
「今日は、新しいランチマットで、お友達とご飯食べるんでしょ?」
次男は、また黙り込みました。
「うーん……うーん……」
その沈黙を待ちながら、
私はだんだん、このやりとりが面白くなってきていました。
次は、どんな言葉を選ぶのだろう。
そんな気持ちで、次男を見ていました。
「じゃあ、ランチマットは、お家でお昼ご飯食べるときに敷いて食べる」
休みたい気持ちも、
楽しみにしていたことも、
どちらも残そうとした案でした。
「お友達、待ってるよ。きっと」
そう返す頃には、
私はもう、この時間を味わっていました。
すると次男は、大きくため息をついて言いました。
「仕方ないなぁ〜。
2人も、お友達も、大事やから。
今日だけ、お友達とごはん食べる」
その言葉を聞いて、
私は心の中で、完全に笑っていました。
そして、最後に念を押すように続けました。
「でも、ジィジとバァバが泣くかもしれんから、
あしたはね……休むから」
最初は少し構えていたはずなのに、
いつの間にか、
この子の考えを追いかけるのが楽しくなっていました。
行きたくない、という気持ちを、
ごまかさず、否定せず、
理由にして、物語にして、
相手に渡そうとする4歳の頭の中。
連休明けの朝は、
正解を決める時間ではなく、
こんなふうに、
面白がりながら話を聞く時間でもいいのだと、
私は思いました。
さて、
明日はどうなるのでしょう。
それはまた、
明日の朝、
次男の言葉を聞いてから考えればいいのだと思います。
〜あき〜
