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便利屋修行1年生 ④浮気調査 連載恋愛小説

 どうやら、ここは便利屋と探偵業を兼業しているらしい。
 前者は暮らしの困りごとをサポートし、後者は主に調査活動。探偵っぽい仕事がまわってきたのは、綾が入って1カ月経った頃だった。

 ふと気になって、訊いてしまった。
「浮気とかします?」
 決定的証拠をつかむため、不倫カップルと同宿を取り、絶賛監視中。対象者が腕を組んでチェックインすれば、理想的。
 ロビーのソファに陣取り、それらしくするため綾は沢口の肩にもたれている。カメラは目立つのではと思ったが、だれもそんなことに気をとめないらしい。観光地ならなおさらだ。

 恋人とはほど遠い、冷えきった目をした相棒は、答えそうにない。
 さすがに仕事で絡むと無視するにも支障があるからか、このごろ彼はしぶしぶながらも綾と言葉を交わすようになっていた。
「すみません。集中しろ、ですよね」
「さあ、するかもな。死んでもしたくないけど」

 旅先で気分が高揚し、ところかまわずやりかねない。沢口の予言どおり、ふたりは廊下で抱き合いキスをした。一歩入れば、すぐそこが客室なのにもかかわらず。
 またとないチャンスをのがさず、動画と写真に確実に収める。動かぬ証拠を押さえると、報酬も倍増するそうだ。画質をチェックし、不要な箇所は編集する。
 終始、冷徹で隙のない仕事ぶり。所作しょさを見るだけでも、勉強になる。

(つづく)


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