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おいでませ!山口!

その日。


KONGは新幹線に飛び乗った。


行き先は、中高生時代を過ごした山口県。


ここにはKONGの青春が詰まっている。



所用で行くのだが、行くなら地元を満喫せねば。



せっかく山口まで行くのだ。



用事だけ済ませて帰るなど、KONG的にはありえない。



KONGは自分の自由時間も確保したスケジュールを組み、あらかじめ地元の友人に車を出してもらい、KONGの行きたい所に連れて行ってもらう流れとなった。


つまり、

友人を運転手兼ガイドとして召喚したのだ



思い出の場所。


昔住んでいた場所。


昔よく通った場所。


これらを数時間で巡る。


タイトルはこれだ。


『アナザースカイ〜その気になれば行けるけど、なかなか行けない場所ってあるよね3時間スペシャル〜』



集合場所に到着し、久しぶりに会った友人と再会の挨拶と拳での会話をし、山口の近況報告を受け、さっそくKONGのワガママに付き合ってもらう。



「んで、どこ行きゃ〜いいんかいね?」



少し考え、KONGは答える。



「どんぐらい変わっとるんか町が見たい。」



友人は笑いながら、



「ほんなら、湯田(地名)抜けて、大内(地名)、大殿(地名)通って、長門峡の方に走っちゃるけぇ、止まりたい所あったら止まってって感じにしょうや。」


なんとも頼もしい。


そして、なんとも丸投げだ。



車に乗り込み、走りながら町を見る。



変わっている所。



変わらない所。



そして、地元民しかわからないようなテンションが上がる店。


当時は、なんとも思わなかった店たちが、どれもこれも魅力的に感じる。


そんな中、一つの店を通りすぎる時


大人になったKONGの中で、突然、



"店に入りたい欲"



が爆発する。



「止まろう!!」



しかし、



「なんでじゃ!w 東京の方が種類多いやろ!w」



と、笑いながら素通りされる。




「あっこ止まって!!店の中が見たいんよ!」



「なんそれ!w 用も無いのに店に入るとか、オマエは東京でなにしとんじゃ!!w」



こうして、KONGのアナザースカイは、特に寄り道することもなく長門峡へ一直線だった。



1時間ぐらい走った頃。



気を利かせてくれたのか、途中で寄ってくれた道の駅では、ちょうどSLが走ってくると情報を掴んでくれており、SL山口号を見ることができた。




SLに手を振るKONG。



そのKONGを横目で見る友人。



走り去ったSLを見届けた後、友人はこう言った。



「友達でもおった?なんで知り合いじゃないのに手を振っとん?w」



やかましい。



「そーゆーもんやろ!」


「向こうも気を遣って手を振ってくれとるけど、落ち着いて乗らせてあげーやw」


それも確かにそうだ。


普通の電車を見送る時に手を振ることはない。


バイバイ。の気持ちなのか。


おーい。の気持ちなのか。


自分でもよくわからない。


でも、

やっぱり


『そーゆーもんだろう。』



SLだし。



そんな会話を繰り広げながら、


「そろそろ時間じゃろ。」


と時計を見ながら、友人は車に乗り、再び来た道へ戻る。


その道中で、山口のお酒の話になった。


今思えば、お酒を好きになってから、山口の町をフラフラすることはなかった。



大人になったKONGは、山口まで来て酒を探している。



人間、どうなるかわからない。



それを聞いた友人は、



「ほんなら最後は酒でも買いに行くか。」


と、向かってくれた。



中には山口県の酒が綺麗に並べられており、お酒のマップもあった。


撮影許可とってます。


『雁木』『山頭火』『東洋美人』『獺祭』『五橋』『龍の尾』……。


KONGが飲んだことがあるのはそれぐらい。


こんなにも山口の酒があるのかと、心が躍る。



店内を回って、お酒と出会う。



学生の頃は素通りしていた店。


大人になった今では、そこが宝箱のように見える。


ふと、


ビールコーナーで友人が手招きをしている。



「これ。オマエが買わんで誰が買うん?」


KONGはその商品を見て笑い、


「呼ばれているな。」



と返答し、その商品を買って店を出た。


そして、おそらくこの商品を見た瞬間、


友人もKONGも同じことを思った。


「これはKONGが買うやつじゃろ。」


こうして、KONGの短いアナザースカイは終わった。


友人と別れたあとは、昔歩いたのどかな道を歩く。

学生の頃は、ここからどこか遠くへ行きたいと思っていた。


でも今は、東京で暮らしながら、こうして昔歩いた道を歩いている。


町は変わった。


でも、自分も変わっていた。


昔は何とも思わなかった店に入りたくなり、


SLに勝手に手を振り、


地元の酒を見てテンションが上がる。



どうやらKONGは、ちゃんと大人になったらしい。


それでも、歩いていると、


「ああ、ここ知ってるなぁ」


と思う場所がある。


そういう場所があるって、なんだかいい。



ありがとう。山口県。



また来ます。



次は絶対ガイドを替えて。



それでは!



また!!

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