あの時KONGは風になった。
どうも。
KONGです。
秋よ何処へ。
でも、きっとくる食欲の秋。
今日は、あの時食べた味、忘れられないあの味と、食べ盛りだった高校生KONGのお話。
高校生男子というもの、よく食べてよく寝る。
かくいうKONGも食べる事が大好きで、学校には"弁当を食べに行っていた"と言っても過言ではないぐらい、学校生活の思い出に"食"があった。
雨の日は教科書が濡れようとも弁当が濡れないように死守しながら学校に向かう。
段差があったら自転車の中のカバンを持ち上げる。
朝食をしっかり食べて家を出るだが、お昼の時間まで待ちきれず"早弁"をしてしまう日も多かった。
KONGの学校には有難いことに"学食"があり、早弁をした日には"チキンカツパン"(100円)を買うための購買競争に身を賭していた。
男子生徒が満足するボリュームと味。
ただ一つ残念な事に、
このチキンカツパンは毎回数量が少なく、昼休み開始のチャイムと同時に走っても買えなず、何度も肩を落として違うパンを買った事を覚えている。
ある日の授業中。
(ぐぎゅ〜〜〜ん)
前後左右の席から心配されるレベルのボリュームでKONGの腹が鳴った。
実はこの日のKONGは"早弁"をせず昼休みを待っていたのだ。
正しくは、早弁を『せず』ではなく『できなかった』が正解であり、
それもこれもKONGの所有する"書籍"の中で"最大級の文字数"を誇り"攻撃"にも"防御"にも使える"知識の塊"故に、今まで外に持ち出した事がない"とあるゴリラの禁書目録"とされている
『国語辞典』
をカバンに入れており、程よい重さで"お弁当が入っている"と勘違いしてしまったのだった。
つまりKONGの"お弁当"は家の下駄箱に置き去りにされている。
学校に到着し、その失態に気付くと同時に財布を確認するが中身は130円と"カジノ"と刻まれたメダル3枚ぐらいしか入っておらず、何がなんでもチキンカツパンをゲットするしかない状況に陥っていた‥‥。
最悪の場合は、KONGの特殊スキル『ジャイアン』を発動し、クラスの男子からオカズを少しずつ貰い回るしか選択肢はない。
そんな時に不運は続くもので、
絶対にチャイムと同時に授業が終わらないティーチャー(古典)であり、ソワソワしながら昼休みを待っていた。
(キーンコーンカーンコーン🎵)
全校生徒が解き放たれるゴングが鳴り響く。
(さぁ、授業よ終わりなすって。)
KONGの祈りは届かず、ティチャーは黒板に文字を書いている。
(さぁ、はよ、チョークをおきなすって。)
ティーチャーはゆっくりチョークを置く。
(さぁ!委員長!締めの挨拶をかましたって!)
‥‥。
「えぇぇっとぉ‥。」
ティーチャーが口を開く。
(さぁ!確変突入!)
‥‥‥‥‥。
‥‥‥。
既に廊下では各クラスのソルジャー達が解き放たれてワイワイしている。
(なんてこった‥‥‥。)
チャイムが鳴り止み、数分遅れでKONGも授業から解き放たれる。
(今、走らないでいつ走る!!)

風のような早さで階段を飛び降り、学校のルールを守り廊下を走らず歩いている生徒達をジャングルの木々をかき分ける動物のように、追い越し学食に突撃して食堂のお姉さん(60代)に声をかける。
「お姉さん!カツパンちょうだい!!」
奇跡的に1つだけは残っていたチキンカツパンに"ホッ"としたKONGはお姉さんと軽く話をして、1番近くの空いているテーブルに座ってチキンカツパンを頬張る。
(うんめぇーーーーーー!!)
待ちきれず近くの空いてる席に座ったので、購買に並んでいる人達の会話がちょくちょく耳に入る。

すると。
「フレンチトースト一つ‥‥。」
(ん?この声は?)
振り向き確認すると、お姉さんと話していたのは同じクラスの赤司くん(仮)だった。
赤司くんはKONGを見つけると、表情だけで"オッ"と反応してKONGの前に座る。
「あっちに混ざらんの?」
赤司くんは、KONGがいつもの連んでいるグループがワイワイやっているテーブルを指差し聞いてくる。
「今日はパンを食う為にきたんよ。」
と、KONGは答えながら、赤司くんの持っているフレンチトーストを"ジッ"と見つめる。
赤司くんはクラスでは静かな方で、早弁とかをしているのも見た事はない。
KONGは思わず
「メシそれだけ?」
と、聞くと、
「いつも学食やけど、安いのはだいたいコレしか残ってないんよ。」
‥‥‥。
‥‥。
そりゃ考えてみたら毎回学食の人だっているさ。
それなのにKONGときたら、
たまたま学食で食べる事になっただけで、授業中から昼ごはんの心配をして走って買いに行く。
毎回"早弁"しているにも関わらず廊下を走って"カツパン"を買いに行く。
静かにフレンチトーストを食べている赤司くんを見ると、自分がただの卑しい男に感じてしまい軽く挨拶を済ませKONGは席を立った。
‥‥‥。
‥‥‥なんかダメだな。
翌日。
心を改め"早弁"止める。
なんて事は高校生のKONGには出来るはずもなく、いつもと同じようにように"早弁"をして食堂に向かう。
「お姉さん。カツパンちょうだ〜い!」
残り少ないカツパンを手に入れて、昨日と同じ席に座る。
しばらくすると、
「フレンチトースト一つ‥‥。」
昨日と同じようにフレンチトーストを持った赤司くんが、KONGを見つけ同じテーブルに座る。
昨日と違う所は、KONGが"カツパン"持っている事。
KONGは
「コレ!食ってみ!めっちゃうまいんよ!!!」
と、赤司くんに"カツパン"を渡す。
戸惑う赤司くんは
「え!いいん?」
と、言いうものの、少し戸惑っている。
「なら、交換で!」
と、フレンチトーストとカツパンを入れ替えるが、KONGはフレンチトーストを半分もらう事にする。
カツパンを頬張った赤司くんは目を見開き
「コレ!うまいね!!!!」
と、嬉しいそうにKONGの方を見る。
ありがた迷惑だったかもしれないが、高校生KONGの心は少し"スッ"とした。
KONGもフレンチトースト頬張り

「コレも‥‥うまかったんだな。」
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それから赤司くんとは特別親しい中にはならなかったが、あの時のフレンチトーストはオシャレなカフェのフレンチトーストより美味しかった気がする。
(KONGは外でフレンチトースト食べた事はない。)
さぁ、食欲の秋よ。
大人になったKONGは、胃袋だけじゃなく心も満たす準備が出来ているのだ。
数日後に来る秋を待ちわびながら。
それでは!
また!
