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#247 咲き誇る花を「捨てる」勇気。人生に本物の実りをもたらす、たった一つの決断


🍎 リンゴの木は、なぜ、実をつけるのか


村の果樹園に、一際目を引く美しいリンゴの木がありました。

春になると、その木は誰よりも見事な花を、枝がしなるほど大量に咲かせていました。


村の人たちは、その美しさを称賛していましたが、秋になると決まって首を傾げました。
「なぜ、あんなに花が咲くのに、一つも実がつかないんだろう」


農夫・清次の違和感
果樹園の世話をする清次も、その木の前で立ち尽くしていました。
「水も肥料も、他の木と同じようにやっている。病気だってない。それなのに、なぜ実は一つも実らないんだ?」


清次は、隣の平凡な木を観察することにしました。
その木は、花こそ地味でしたが、秋には重そうに真っ赤な実をぶら下げています。


観察を続けて数日。清次は、ある事実に気づきました。


花を落とす木
隣の木は、花が咲いた後、自らその花をポロポロと落としていたのです。

強すぎる風に吹かれたわけでもない。病気でもない。
ただ、自分が抱えきれないほどの花を、自らの意志で「捨てて」いたのです。


本当に栄養を注ぐべき「一握りの花」だけを厳選し、残りは潔く手放す。


その厳選された花だけが、秋に甘い果実へと姿を変えていました。


対して、実のつかない木は、すべての花を抱え込もうとしていました。
すべての花に栄養を分け与えようとした結果、どの花も実になるためのエネルギーが足りず、ただ枯れていくだけだったのです。


清次の決断
「もしかすると、花が多すぎることが、この木を苦しめているのかもしれない」
確信は持てないまま、清次はハサミを手に取りました。


見事に咲き誇る花を、一つ、また一つと摘み取っていきます。


村人からは「もったいない」と後ろ指を指されましたが、清次は作業を続けました。


そして、その年の秋。
その木には、初めて実がつきました。
数は多くありません。しかし、その一つひとつは、村の誰が見ても驚くほど、大きく、蜜の詰まった最高のリンゴでした。


ガネーシャのささやき
その夜。仕事を終えた清次は、部屋の机に置かれたガネーシャの像をぼんやりと見つめていました。


「なぜ、花を摘んだら、あんなに立派な実がついたんだ……」


清次が独り言を漏らした、その時です。
像の瞳が、ふっと優しく光ったように見えました。


「人間はな、多くを手に入れようとする。人生のあらゆる枝に、花を咲かせようとするんや。

だけどな、本当の実りいうのは、厳選された『たった一つ』の中にしか生まれんのやで。

全部を抱え込もうとすれば、結局は全部が中途半端に終わる。


いらないものを手放す。不要な夢を捨てる。

その『余白』ができて初めて、本当の実りが膨らみ始めるんや。

手放した花の分だけ、実は甘くなるんやで」


ガネーシャの言葉が、清次の心に、確かな重みとなって響きました。
【今日の学び】
あなたの人生という木に、咲きすぎている花はありませんか?
「あれもこれも」と抱え込んでいるうちに、本当に実らせたいものが栄養不足になっていないでしょうか。
一つ、大切な実りを得るために。
今日、あなたが手放すべき「花」を、一度見つめ直してみてください。


3月28日(土曜日)
富と豊穣【実り】

ガネーシャより

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