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スパイス購入RTA①― 挫折しない現実的ルート 

まずコスパが悪すぎる

スパイスカレーやチャイに憧れて、
レシピ本を開いた瞬間に「うん、無理だ」と
閉じたことがある人。
たぶん“料理の腕”より先に、別の壁にぶつかってる。
そう、スパイス、コスパが悪すぎる問題だ。

スーパーの小瓶(10〜15g)を、
1本200~300円前後で買い集める。
気づけば棚には小瓶が並び、財布は軽くなり、
カレーはまだ完成していない。
しかもレシピを真面目に追うほど、
必要な種類は増える。

- まず粉のスパイス
 (ターメリック、チリ、コリアンダー等)
- さらに香り出し用のホール
 (クミンシード、カルダモン、クローブ等)
- そして「それはまた別の世界」のスパイス
 (フェヌグリーク、ブラックカルダモン…)

この時点で、趣味として始めたはずが、
在庫管理の仕事になっていく。
最近はカルディや普通のスーパーでも
「スターターセット」が売られているけれど、
正直それでも市販のルーに比べたら高い。

さらに厄介なのが、スパイスからカレーを作るのは
そこそこ自炊している人でも普通に失敗すること。

- 水分量を間違える
- 炒めが足りない(or 炒めすぎる)
- 塩のタイミングが迷子
- 何より「香りが立たない」


慣れが必要なのに、
慣れるための試行回数にコストがかかりすぎる。
経験を積まないと上達しないのに、
経験のチケット代が高い。


さらに追い打ちがある。
チャイやスパイスカレーって、
日本の食卓に「味噌汁」ほどの頻度では登場しない。
インド人のように「とりあえず今日もカレー」
みたいな生活じゃない限り、普通は余る。

もちろん、スパイスはインド料理以外にも、
中華にも洋食にも使える。
でも「そこまで覚える」のが、すでにハードルが高い。

スパイスに挫折する原因って、技術より先に
「揃え方」と「使い切り方」の設計ミスが多い。

だからこそ、最初の一歩はこうしたい。

①スパイスを安く手に入れて
②失敗前提で回数を回し
③少しずつ使い道を増やす
この記事では、その①の話。

じゃあどうするか?結論はシンプルで、
最初に“買う場所”を変えるのが一番効く。

まず変えるべきは「買う場所」

都内に住んでいるなら、その最適解のひとつが
新大久保。
テレビだと「K-POP!若者!韓国料理!」の街として紹介されがちだけど、

長年通っている体感としてはむしろ、
中国・東南アジア・インド・中東など、
アジア全般の生活圏”がぎゅっと詰まった街
という印象が強い。

飲食店だけじゃなく、実際に暮らす外国人の人向けに、日本のスーパーには置いていない食材やスパイスが普通に流通している。
つまり、ここは“趣味の買い物”というより、
"生活の供給網"なのだ。

新大久保の歩き方

まず押さえるべきはこの2エリア

① イスラム横丁(百人町文化通り周辺)


- JR新大久保駅を出る
- 大久保通りを渡る
- マツモトキヨシを目印に路地へ
- そのあたりの百人町文化通り周辺が、
 通称 “イスラム横丁”


ここはインド〜中東のムスリムの人が多く、
ハラルショップや飲食店が並ぶ。
スパイスの主戦場はここ。

② 大久保通りを大久保方面へ(中華食材ゾーン)

イスラム横丁に入らず、そのまま大久保通りを
大久保方面へ進むと、
中華食材・乾物・薬膳系が強い店が出てくる。
花椒、陳皮、干し椎茸、木耳など「中華の底力
を感じる場所。

そもそも「ハラルショップ」って何?

ハラル”はイスラム法上「合法(食べてよい)」の
意味。有名なのは豚肉NGとかだけど、
実際はそれだけじゃない。

- 肉は処理方法に決まりがある
- 加工食品も原材料や製造工程に配慮が必要
- そのルールを守って作られたものがハラル


だからこそハラルショップは、
ムスリムの生活インフラとして成立していて、
スパイスも日用品として安く大量に回っている。
こちらから見ると「なんでこんな値段で?」ってなる。

①イスラム横丁:スパイスを買うならここ(店別ガイド)

THE JANNAT HALAL FOOD

スパイスを買う時、まず寄る店。
イスラム横丁のスパイスはどこも破格だけど、
体感としてここが一番安くて使いやすい。
何が良い?

- 主に50〜100g単位で売られている
 (家庭にちょうどいい)
- パウダーもシードも揃う
- だいたい300円以下で買えることが多い

これってどれくらい安い?

スーパーの小瓶を見てほしい。
300円前後で10〜15g。
ここは同じくらいの値段で50〜100g。

つまりグラム単価でざっくり
1/5〜1/10くらいの感覚になる。

スパイスカレーの基本セットを揃えても、
やり方次第では1000円で足りる。
まずは失敗して学ぶ」ためのコストが一気に下がる。

GREEN NASCO

交差点にあってわかりやすい、一番有名で大きい店。
スパイスだけじゃなく、
- 豆
- 米
- 野菜
- ハラルミート
- アーユルヴェーダで使う精油系
- 鍋などの日用雑貨

まで揃っていて、品揃えならこのイスラム横丁で
トップクラスだと思う。

野菜も破格だが、さすがに購入はちょっと躊躇してしまう…

※以前は店内にケバブ屋があったけど、
火災をきっかけにリニューアルされて、
今は販売中心になっている
(ここはちょっと残念ポイント)。

Siddique NATIONAL MART

50gから業務用1kgまで、
容量の選択肢がやたら多い。
まぁ1kgを個人で買う人がいるのかはさておき、
グラム単価で比較すると他店よりも若干割高な気がするが、ここの推しポイントは、
イートイン要素があるところ。

個人的にはここのパティサというお菓子がお気に入り。

ハンバーガーやケバブなどのファストフード系
に加えて、インドの甘いスイーツが売っている。
糖質脂質が容赦なくてジャンキーだけど、
妙にハマる人はハマる味。

Barahi Foods & Spice Center

横丁を入ってすぐの手前にある店。規模は小さめ。
でもこの店は、
- 2階がネパール料理屋
- 店内でネパールの餃子「モモ」が手軽に食べられる

という“補給地点”として優秀。
買い物が長くなる日ほど、こういう店に救われる。

②中華食材ゾーン:スパイス以外の「底上げ」を買う

華僑服務社

中国の食材から書籍・雑誌まで揃っていて、
妙に情報量が多い店。
食材目当てなら、階段を下った地下に強い。

- 山椒(花椒)や唐辛子
- 豆板醤やラー油などの調味料
- ナッツ、豆
- 干し椎茸、木耳など乾物

花椒などハラルショップ程では無いがスパイスも充実
中国で人気な食べるラー油"老干媽"
ナッツ類だけはどこのお店も価格割れしない印象
干椎茸がこの容量でこの価格はかなり熱い

特に乾物が、スーパーより安く大容量なことが多い。
自分はここで干し椎茸をまとめ買いしがち。普通に買うと高いから助かる。

海羽

華僑服務社より手前。
見ての通り、店内は薄暗く狭くて
初見だとちょっと入りづらい見た目…
でもここは、

- 中国でしか食べないような部位の冷凍肉
- 肉料理系のラインナップ


が尖っている。

決してグロ画像では無い1
決してグロ画像では無い2

自己紹介でもちょっと話したような
どこの部位か分かりすぎる」やつも結構ある。
人は選ぶけど、刺さる人には刺さる。
現地の味に興味がある人はぜひ食べてみて欲しい。

番外編:買出し疲れは肉骨茶で回復

何故肉骨茶を推すのか?

新大久保で食べるものといえば、韓国料理・中華・インドカレーが強い。都心部に行けば、もう珍しくないくらい当たり前になってきた。
在日外国人も増えて、街の“国籍のバリエーション”自体はどんどん増えているのに、専門店として残っている料理はまだ偏りがある。

その中で、シンガポール料理の代表格、肉骨茶は、
まだまだ専門店が少なく、わざわざ食べに行く価値が残っている料理だと思う。
「珍しいから推す」だけじゃなく、スパイス買い出しの日の食事として相性がいいのも理由。

南洋叔叔肉骨茶

ここは都内でも珍しい肉骨茶専門店
お店の場所は新大久保駅から徒歩1分以内

- JR新大久保駅の改札を出る(1つだけの改札)
- 駅を出て大久保通り(大きい通り) の方向へ。
- 駅の目の前〜すぐ近くのビル(百人町1-10-10)
- 店は 地下1階(B1F)。


頼んだもの:豚足肉骨茶セット

土鍋で出てくる一杯。見た目は濃いのに、スープは意外と澄んだ輪郭。
漢方っぽい香りが立って、飲むと「薬膳」寄りの安心感がある。

豚足は柔らかく煮込まれゼラチン質がしっかりで、
添えの辛いタレ(刻み唐辛子+にんにく系)で味が締まり、ご飯が進む。

実はこんなにスパイスが使われている

肉骨茶は、肉のスープというより
「胡椒と薬膳の鍋」に近く、スパイス使われているが、いわゆる「カレーのスパイス」と少し方向が違う。
香りの中心は、
胡椒・八角・桂皮(シナモン)・クローブあたりの“温かい系”になりやすい。
そこにニンニク、生姜、当帰枸杞などの薬膳素材が入る店も多くて、香りが「料理」より先に「回復」に寄ってくる。

スパイス買いに行った帰りに食べると、
「あ、こういう香りもスパイスなんだな」と、
棚の見え方がちょっと変わる。
カレーの方向だけじゃなく、スープ・煮込みの方向に視界が広がる。

スパイス店を回ると、荷物が増える。情報量も増える。新大久保の買い物は、地味に脳も足も疲れる。

肉骨茶のいいところは、その疲れに対して、
わりと直球に回復をかけてくるところ。
汗をかいて、呼吸が深くなって、体の内側が温まる。
薬膳的には“温める・巡らせる”方向のイメージで、買い物の後半戦に戻れる感じがある。

要するに、肉骨茶は「ごはん」だけじゃなく、買い物の回復アイテムとして強い。

新大久保・買い出しのおすすめルート(初心者向け)


1. まず THE JANNAT HALAL FOOD
 基本スパイスを確保
2. 余力があれば GREEN NASCO
 豆・米・変化球を眺める
3. 興味があれば大久保通り側に戻って、
 華僑服務社
で花山椒・陳皮・乾物を追加
4. 買い物疲れは肉骨茶で回復

スパイスを生活に取り入れられる人って、
料理が上手い人じゃない。
失敗しても痛くない買い方を知っている人だ。

新大久保は、その“失敗しても痛くない”を作ってくれる街だと思う。
スパイスを安く買えるだけじゃなく、
「これは生活用品なんだ」という空気ごと持ち帰れる。

次回は"じゃあ実際に何を揃えたら良いか?"
について説明する。





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