過日の釣果②(ハードカバー編)
事前情報がなくても澁澤龍彦さんの古書があの場にないなんてことはないだろうと思ってはいた。でも、今回は目的の本が確実にある情報を掴んで、かの地に向かった。
「黒魔術の手帖」「幻想の肖像」

この真っ黒な装丁の「黒魔術の手帖」が今回の獲物だった。澁澤龍彦作品は全て読破しているんじゃないかと思うが、最初に読んだのはこの「黒魔術の手帖」だった。
黒魔術だ魔女だなんてことは、マーク・ボランやジミー・ペイジからの影響って部分が大きかったりするのだが、理解を深める過程で読んでいったのは澁澤龍彦作品だった。
著書で有名なのは発禁裁判で有名なマルキド・サドの訳書「悪徳の栄え」がある。異常性愛的な部分の理解も全部、澁澤作品から得た。
とにかく装丁もカッコいい。帯までカッコいい。いつか自室の本棚にこのハードカバーを鎮座させようと思っていたのだった。
通りで売っているもので2冊見つけることができたので、値段を選ぶことができた。安い方を購入。そんなに差がないのに倍近く値段が違った。金に糸目はつけないような買い方は僕はしない。
「幻想の肖像」は外箱が傷んでいるからか、格安で釣り上げた。この装丁も表紙が秀逸。特に外箱から出した表紙がエンボスでタイトルが打たれていてカッコいい。
買う時に状態はあまり考えない。古本は落書き、書き込みありをあえて買うようなこともある。その方が安かったりするのだが、元の持ち主の影が見えるのが面白かったりする。
僕が女性や性といったことから目を背けることができないのは、澁澤龍彦さんの影響がかなり大きいのだろう。
「サロメの唇」

この漫画だけ、店舗に入って見つけた一冊。
手塚治虫さんの「ばるぼら」を記事にしたので、買うわけではないが意識して見ていた。でも「ばるぼら」は見当たらなかった。
通りに並ぶ本を見るだけでもかなり時間がかかるのだが、そんなにないものなのかと思い、ヴィンテージ系漫画(この表現合っているかわからんな...)が置いてある店舗に足を踏み入れた。
そこで手塚治虫さんのコーナーを見ていると、気になる背表紙があった。
「サロメの唇か、既読だな。青林堂から出てるの?こんな装丁のは見たことないな」
サロメは作品内では、長崎・出島内の「女陰でしゃべる」遊女。
棚から取り出して、手にした瞬間、表紙に一撃で沈められた。
手塚作品でこんなに艶かしい外箱は見たことがなかった。裏も実に艶かしい。

青林堂とは「ガロ」を出していた出版社だ。「ガロ」全盛期に手塚治虫さんが出していた雑誌が「COM」であって、そこには「火の鳥」が連載されていた。いわばライバル社のはずだ。
どう言う経緯で、青林堂から出たのか興味も湧いた。値段もお手頃、部屋に置きたい欲求に駆られて釣り上げた。
内容は全て文庫本でも出版されているものばかりだったので、未読なし、目新しさはなかった。
ただAmazonで売られている価格をみてびっくり!その十分の一以下の価格で入手。調べたら500部限定のもので、僕の買ったものは005だった。Amazonの価格は当てにならんと思いつつも、大魚を釣り上げた気分だ。
今回、釣り上げたものたちはここまで。次回は釣り上げられなかった、釣り上げなかった本についてです。
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