河童忌の今日、あらためて芥川龍之介を読んでみた!「自分だけ」を超える難しさと救いについて
本日7月24日は、作家・芥川龍之介の命日である「河童忌(かっぱき)」です。
代表作『河童』にちなんで名付けられたこの特別な日。
久しぶりに本棚から芥川の文庫本を取り出し、じっくりと作品の世界に浸ってみました。
あらためて読み返してみると、彼が作品を通じて投げかけてくる問いの深さに、思わず手が止まります。
■ 『蜘蛛の糸』と『河童』に見る「人間の本性」
今回特に印象に残ったのが、『蜘蛛の糸』と『河童』の2作品でした。
『蜘蛛の糸』で、罪人カンダタは地獄から伸びてきた細い糸にすがりつきます。
しかし、下から登ってくる大勢の罪人たちを見て「下りろ! この糸は俺のものだ!」と叫んだ瞬間、糸はぷつりと切れ、再び暗闇へと落ちていきました。
自分の手で切ったわけではなく、「自分だけが助かりたい」という利己的な心(エゴ)が表に出たその瞬間に糸が切れてしまう——。
ここには、極限状態における人間の弱さと、皮肉なまでの因果応報が描かれています。
一方で、晩年の名作『河童』では、人間社会の常識や道徳をガラリと逆転させた河童の国が登場します。
生まれたくない赤ん坊は出産を取りやめ、経済不況になれば失業者は食用にされる。
一見すると滑稽で奇妙な世界ですが、物語が進むにつれて「本当に狂っているのは河童の国なのか、それともエゴイズムに満ちた現実の人間社会なのか」という重い問いが突きつけられます。
■ 芥川が探し続けた「救い」
芥川龍之介は、人間の醜さやエゴイズムを冷徹に暴く天才として知られています。
しかし今日作品を読み進めながら感じたのは、彼は単に人間を批判したかったわけではないのではないか、ということです。
誰よりも人間の美しさや善性を信じたかったからこそ、現実の汚さや弱さに傷つき、理想と現実の間で苦しんでいたのではないでしょうか。
『蜘蛛の糸』でお釈迦様がカンダタに糸を垂らしたように、芥川自身もまた、人間の利他の心や救いの可能性をどこかで信じたかったのかもしれません。
■ 現代を生きる私たちが受け取るもの
「みんなで助かる道はあるのか」
カンダタのように「自分だけが」と叫んで糸を切ってしまうのか。
それとも、限られた状況の中でも他者に手を差し伸べ合えるのか。
河童忌の今日、芥川作品が投げかける問いは、100年近く経った現代を生きる私たちにとっても決して他人事ではありません。
名作をひもときながら、自分の中にあるエゴと優しさについて、静かに思いを馳せる素晴らしい一日となりました。
最後に、みなさんに尋ねてみたいです。
芥川龍之介の数ある名作の中で、あなたが一番好きな作品、あるいは心に残っている作品はどれですか?
ぜひコメント欄で教えていただけたら嬉しいです。
記事を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
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