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大切なことは、必要な時にそばにいること|トイストーリー5

日曜日の映画館。
家族連れから、中高生、カップル、、、本当にたくさんの人たちが1つの映画を観に映画館に集う。
上映開始時間の15分前に映画館に到着したが、長蛇の列でポップコーンを買っていたら危うく上映開始に間に合わないところだった。
いつもは少し長く感じるTOHOシネマズの予告に助けられた。

前作のトイストーリー4から7年、第一作目からは21年という時間がたっている。(トイストーリー4ってコロナ前だったんだ・・・)

本作では子供が遊ぶものがデジタルデバイスへと移り変わっていくなかで、変わらないメンバーたちが(特にジェシーを中心に)奮闘していく。

個人的には、トイストーリー5単体という意味でも、この素晴らしいシリーズの最新作という意味でも楽しめた今作の感想を書いていきたい。
(以下ネタバレを多少含んでいます!)



四角い箱に夢中な子供たち

トイストーリー5時点で、いつものおもちゃ達(バズ、ジェシー、、、)の持ち主はボニー。
ウッディは前作の最後の通り、外の世界でボー達と暮らしている。

ボニーは友達が欲しいが、周りの子供はみんなタブレットのようなおもちゃで遊んでいて疎外感を感じる。
そんなボニーをみた両親が同じデバイスを買ってあげ、ボニーは刺激中毒とも言えるような状態になり、ジェシー達で遊ぶことをやめていく。

映画の中で描かれるデバイスに夢中な子供は、非常に風刺的である。
無限にコンテンツを、刺激を与えてくれるデバイスに四六時中夢中になり、外に出ることなく、真っ暗な部屋で時間を過ごしていく様子には、どことない恐怖を感じる。

自分で遊びを、世界を「創る」

ボニーが新しく手に入れたタブレット、「リリーパッド」(通称:リリー)はすぐに周囲の友達とボニーをネット上で繋げてくれる。

リリーパッド

友達とつながれたことに喜ぶボニーだが、一方でこれまでの人形のおもちゃ達で遊ぶことを他の子供たちにバカにされることも。
そんなボニーにとって、同じように遊ぶことができる「友達」を探すべくジェシー達は奔走する。

映画の中では、デジタルデバイスでの遊びと、いわゆるおもちゃ遊びが対照的に描かれる。
その明確な違いは何かというと、子供自身が構築した世界の中で遊んでいるか、既に作られた世界で遊ぶかどうかという点にあるように思う。

どちらが「善い」かということを単純に判断することは難しいが、子供が持つ創造性を育んでいくのは前者、子供の世界を拡げていく遊び方だろう。

子供たちは本来、遊び方を自分で作っているように思う。
鬼ごっこのようなシンプルな遊びを1つとっても、ベースのルールはありながらも、遊ぶメンバーや環境に応じて柔軟にルールを作り変える。
「ごっこ遊び」はその最たる例で、人形や家にあるものに(勝手に)役割を与え、自分だけの物語を紡いでいく。

映画の中では、ジェシー達おもちゃ視点で描かれることもあり、「自由な遊びが良い」というスタンスに重心はあるが、リリーをはじめとしたデバイス達も悪意があるわけではなく、持ち主であるボニーに幸せになって欲しいという気持ちは変わらない。
その目的のために「自分が何の役に立てるか」を考え、苦悩し、行動している。
リリーを見ていて思い出したのが、同じピクサー作品の「インサイドヘッド2」のシンパイ。どちらのキャラクターも持ち主を想う気持ちはあり、能力も高いが、やや思い込みが激しく、暴走しがち。
最初の印象は良く無いが、自然と愛せるキャラクターだ。

シンパイ(インサイドヘッド2)

大切なのは必要な時にそばにいること。25年越しにつながる真実

本作はジェシーの物語でもある。
エミリー、アンディ、そしてボニーと持ち主が変わってきたジェシー。
楽しい思い出だけでなく、持ち主に置き去りにされる経験を経ている。

ジェシーが初めて登場するトイストーリー2の劇中歌でもある「When She Loved Me」はディズニー/ピクサーでも屈指の名曲であると思うが、本作トイストーリー5ではこの曲をはじめとした過去楽曲のリプライズが随所に現れる。

持ち主との別れを経験しながらも、子供たちを信頼し、そばにいることを選ぶジェシーたちおもちゃの姿勢に胸が熱くなる。
いつかは自分たちで遊ばなくなる日が来る、それだって子供の成長の過程。
本当に大切なのは、自分たちを必要としてくれる瞬間に、その時に一緒にいられるか。
シリーズを通じて、対等な存在としての「遊び相手」としての存在ではなく、子供の成長を見守っていく存在へとおもちゃ達が変わっていくことが素晴らしいと感じた。

そんなジェシーに訪れる、暖かい真実。
トイストーリー2を見返さないと。

ジェシーとおもちゃたち

ーーー

今作は「デジタルデバイスの脅威」という1つの軸がありながら、過去作を絡めた要素を多分に含む、非常に濃密な作品となっている。
(大量のバズたちもコミカルで最高)

私は日曜日の昼間に観たのだが、前半は子供の笑い声もありながら、後半では大人の鼻を啜る音が聞こえ、まさに老若男女が喜怒哀楽を感じながら観れる素晴らしい映画だった。

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