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AIとの壁打ちの質を上げるサービスを作りました。ただし、Webでは完結しません

BASE株式会社執行役員の柳川です。金融事業の事業責任者をしています。エンジニア→PdM→事業責任者というキャリアを歩んできました。

今日は宣伝です!新しいサービスをリリースしました。複眼道場の全容が見えてきましたよ。

AIとの壁打ちの質を上げる、自己理解のトレーニングサービスです。

ただし、Webで完結するサービスではありません。月に一度、人間(僕)が出てきます。どういうことかは後半で。

名前は「複眼道場のトレーニング」。エニアグラムのタイプ探しに、交換日記と月1回の1on1で伴走します。先に結論を言っておくと、この記事で言いたいことはひとつだけです。まずは無料のWeb診断を受けてみてください。AIとの壁打ちの精度が、それだけで一段上がるので。

結局、何を作ったのか

先に全体像を並べておきます。複眼道場は、ひとつのWebアプリケーションだけではなくて、この1年かけて少しずつ育ててきた構成要素の集合です。

  • Web診断ツール(無料): 対話型のタイプ診断をはじめとした色々

  • ポータルサイト(無料): エニアグラムとその周辺の解説記事、約100本

  • 教本(全18章、200ページオーバー): 理論をゼロから体系で学べる一冊(後日販売予定)

  • 研修資料と、研修そのもの(有料): 160枚ほどの資料が4セットほど。エニアグラム入門から人間関係のすれ違いの構造まで。企業向け・グループ向けに作りました。50名以上のユーザーテスト済みです。

  • トレーニングアプリ(今回リリース): 交換日記×月1回の1on1×カルテ。研修をより味のあるものにするためのアプリです。上の全部を、あなた個人の伴走につなげる場所

読む・診断する・学ぶは無料。人間(僕)が出てくるところから有料です。この記事では、いちばん手前の「無料のWeb診断」から話を始めます。

性格診断、受けたあとどうしてますか

性格診断って、受けた瞬間が一番盛り上がるんですよ。

結果を見て、当たってる〜って言って、人に共有して。で、僕の場合は翌週には忘れてました。みなさんはどうですか。

でもエニアグラムをはじめとする性格診断って本当は、結果を受け取って終わりのものじゃないんです。むしろ結果が出てからが本番。自分のタイプは、診断ツールが決めるものじゃなくて、日常の自分を観察しながら、自分で決めていくものだからです。

診断ツールは無料で作って公開して、たくさんの人に遊んでもらいました(ありがとうございます!)。ただ、ずっと引っかかっていたのは「そこから先」を一緒にやる場所がないことでした。診断は入口なのに、入口で解散になっちゃう。もったいない!

中身を知らないと、診断は使えない

なんで「当たってる〜」で終わるかというと、結果だけ見ても使えないからなんです。

エニアグラムのタイプには、それぞれメカニズムがあります。どういう恐れがあって、そこからどういう動機が生まれて、それがどういう行動になって出てくるか。この中身のほうが本体で、タイプ名は入口の札にすぎません。

タイプの判定だけ受け取ると「当たってる〜」で終わる。でも中身がわかっていると、応用が効くんです。診断に出てこなかった場面でも「あ、いまのはあのパターンが動いたな」と自分で読める。そこからさらに深掘りできる。

しかも、これは自分だけの話じゃありません。中身を知っていると、他人の「理解できない行動」の裏にある動機にも仮説が立つようになります。上司の、部下の、パートナーの、あの行動の裏で何が動いているのか。
(他人のタイプを決めつけて伝えに行くのはNGですが!仮説を持ってフラットに推測してみるのは正しい使い方です)

だから、基礎知識を学ぶ必要があるんです。診断だけ受けて中身をすっ飛ばすのが、一番もったいない。
一緒に学びましょう。そのための場所を作りました。

エニアグラムって、そもそも何なの

ここで少しだけ、中身の話をさせてください。理論の授業はしません。実際にある場面をひとつだけ。

会議で、自分の案にダメ出しされてカチンと来たとします。ここで「その何が嫌だったの?」と、もう一段だけ掘ってみてください。人によって、答えが割れるんです。

「できないやつだと思われた」。傷ついたのは、自分の価値。
「この先の予定が全部崩れる」。脅かされたのは、安全。
「土足で踏み込まれた」。侵されたのは、縄張り。

全員、本気で怒っています。でも、痛かった場所が違う。この痛む場所が、エニアグラムでいう3つの「センター」です。人は、恥(ありのままの自分に価値がない気がする感覚)、不安(予測できない未来への不安)、怒り(境界を侵される感覚への反発)のどれかを根っこに抱えていて、そこから性格が組み上がっている、と考えます。

9タイプというのは、この根っこへの対処の仕方が3通りずつあるという形で説明できます。

オリジナルの研修資料の一部

。価値がない感覚を、どう補うか

  • タイプ2: 人を助けることで、必要とされようとする

  • タイプ3: 成果を出すことで、価値を証明しようとする

  • タイプ4: 独自性で、代わりのいない自分になろうとする

不安。予測できない未来から、どう安全を確保するか

  • タイプ5: 知識と理解で、備えようとする

  • タイプ6: 確認と、信頼できる支えで固めようとする

  • タイプ7: 楽しい選択肢を増やして、逃げ道を確保しようとする

怒り。自分と他者の境界を、どう守るか

  • タイプ8: 力で押し返して、守ろうとする

  • タイプ9: 波風そのものを消して、守ろうとする

  • タイプ1: 正しさの基準で、守ろうとする

9個の暗記ではなくて、3つの問いに3つの答え。恐れから動機、動機から行動へ、一本の線でつながっているのがエニアグラムです。だから「当たる占い」ではなくて、自分の内側で検証できる構造の理論なんです。

ちなみに、どの対処もそれ自体は立派な強みです。問題があるとしたら、自動で発動しっぱなしになって、自分で選べなくなっていることだけ。

エニアグラムは、AIとの共通言語になる

ところでみなさん、AIに悩み相談してますか。僕はしてます。その時にエニアグラムがものすごく価値発揮します。

自分の状況を自分の言葉で説明すると、どうしても「上司とうまくいかない」「なんかモヤモヤする」くらいの解像度になる。AIはその浅さのまま、丁寧に答えてくれる。つまり自分の解像度が、AIの出力の上限なんです。

AIはエニアグラムをめちゃくちゃよく知っています。だから診断を受けて自分の仮説を持つと、AIとのあいだに共通言語ができます。これまで10分かけて説明していた状況を、「タイプ◯の囚われが動いた気がする」と一言で渡せる。一言に構造が乗るので、返ってくる深掘りの質が変わります。

しかも、Web診断の結果ページには「AIコンテキストをコピー」というボタンがあります。あなたの診断結果を、AIに渡せるプロファイル文に変換して、ワンタップでコピーできるやつです。ChatGPTでもClaudeでも、貼ってから相談してみてください。壁打ち相手が急に本気を出します。

診断は無料です。10分で終わります。自分が言うのもなんですが、この診断はかなり出来がいいです。

ただ、診断には限界がある

と、ここまで散々Web診断を推しておいてなんですが、Web診断には限界があります。

Web診断で出るのは、自己申告から組んだ仮説どまりです。そして厄介なことに、自分の囚われは、自分の回答にも混ざります。「自分はこういう人間です」という申告そのものが、囚われ込みなんですよ。

さらに厄介なのは、AIはその自己申告を疑ってくれないことです。仮説がズレたまま渡せば、ズレたまま精密に掘り進んでくれます。理論は知っていても、あなたのことは知らないので。

そして語ることが大事です。「あなたはこう言う人だよね」、ではなく、聞かれて、考えて、自分で言葉にする。この過程を通ることが大事です。

だから、導いて、疑う役の人間が要る。そこが今回作ったサービスです。冒頭の「Webでは完結しません」は、これのことです。AI時代に作ったサービスの中身が人間って、我ながらおもしろいと思っています。

書く、話す、残る

仕組みはシンプルで、3つのループです。

書く。 日常で気になった場面を日記に書き溜める。会議でイラッとした。頼みごとができなかった。予定のない休日にそわそわした。そういうやつです。

話す。 月に1回、僕と1on1をやる。書き溜めた日記を素材に、そのとき何が動いていたのかを一緒に読み解きます。

残る。 セッションごとに、僕が「カルテ」を書きます。見えてきた構造、タイプ仮説の現在地、次の1ヶ月の観察テーマ。これが積み上がっていく。

診断が「その瞬間のスナップショット」だとしたら、こっちは動画です。カルテが出来上がるころには、自分の輪郭がだんだん見えてきます。

知識だけなら、1日で覚えられるんです。でも腹落ちして使えるようになるには、時間がかかる。だから詰め込みの講座じゃなくて、月々の道場という形も用意しました。ふだんの壁打ちはAIと。仮説を疑うのは、月に一度、僕が。この分業です。

記録だけなら無料です

日記とタイプ仮説の記録は、ずっと無料で使えます。僕からの返信はつかないけど(ごめん!)、記録の場として好きに使ってください。書いたものはいつでもテキストでコピーして持ち出せます。あなたの記録はあなたのものなので。もちろん、AIに貼って壁打ちに使うのも自由です。

有料メニューはこんな感じです。

  • 診断セッション(初回5,000円・60分): まずはここから。絶対に後悔させないので、これから受けてください。Web診断の結果を持ち込んでもらって、対話でタイプを一緒に絞り込みます。キャリアや仕事の悩み相談として使ってもらってもOK。一度きりでも完結します

  • ペア診断(初回10,000円・90分・2人あわせて): ふたりで受けるやつ。これ、実は一番おもしろいと思っていて。シンプルに2人同時の診断としても使えるし、ふたりのすれ違いを話し合う場としても使えます。僕があいだに入って、お互いの言い分を翻訳します。夫婦でも、親子でも、同僚でも

  • 道場生(先行枠 月6,000円・5名まで): 毎月の伴走。交換日記に僕がコメントを返して、月1で1on1。じっくり通う人向け。先行枠が埋まったら月12,000円になります

ひとつ正直に書いておくと、これは僕が本業と並行して一人でやっているサービスなので、受けられる人数に、上限があります。セッションも返信もカルテも全部僕がやるからです。先行枠の5名も演出ではなくキャパの実数で、基本、早い者勝ちです。

裏話: ほぼ2日で作りました

ここからは開発の裏話。カルテ自体は、設計の議論からリリースまで、ほぼ2日です。

Claude Codeと一緒に、設計書を書いて、画面モックを作って、実装して、DBを繋いで、決済を繋いで、ドメインを当てました。会社でAI研修をやっている身としては、自分で実演しないわけにはいかない!

おもしろかったのは、作りながらサービスの定義がどんどん変わったことです。最初は「カルテを配信するアプリ」のつもりでした。それが途中で「これ自体が道場なのでは?」になり、最後は「複眼道場のトレーニング」に落ち着いた。手を動かすと解像度が上がる。頭の中だけで企画していたら、たぶん最初の定義のまま作りきって、あとで違和感に気づいていたと思います。この話は近いうちに別の記事でちゃんと書きます。

でも中身のコンテンツは僕の生涯かけて作っています

アプリケーションは、2日でできても中身は違います。
中身のコンテンツは生涯かけて作っています。エニアグラムに関しての勉強も時間をかけてやっています。うん十万円かけて勉強しにいっていますし、学習時間自体も300時間越えです。
そして何よりエニアグラムは理論を学んだだけでは運用できません。人間について考えてきた時間の総量が重要なのです。なぜ自分はこう言う人間で、なぜあの人はああ言う人間なんだろう。僕は人より不器用な分、苦しみながら学びました。
ただの性格診断、エニアグラムの話ではなく、僕のこれまでの人生、キャリア、マネジメントスキルや、事業運営のスキル、全てがつながっています。
生涯かけて培ってきたものを形にしていってます。

ただし形にできたのはAIのおかげです。いわゆるWebサービスの開発以外にもAIはガンガン使えるんだぞと言う具体の話は別記時書きます。(PM Confもこのネタでプロポーザル出す予定)

タイプは、自分で決めるもの

最後にひとつだけ。

このサービスで、僕はあなたのタイプを断定しません。仮説を出して、観察ポイントを渡して、一緒に絞り込みはするけど、決めるのはあなたです。ここは譲らないポイントです。

自分のパターンが見えると、他人が見えてくる。他人が見えると、人間関係や仕事の解像度が上がる。ついでにAIとの壁打ちまで深くなる。エニアグラムはそのためのレンズです。「当たってる〜」で終わらせるには、もったいない道具なんですよ。

まずは無料のWeb診断から。結果ページの「AIコンテキストをコピー」を押して、いつものAIに貼ってみてください。話はそれからで大丈夫です。



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