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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 035:村上春樹の音楽第1回Pops/Rock編

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第35回(2022年5月27日(金)20時~
(再放送:5月29日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。しかも可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週は「村上春樹の音楽1 Pops/Rock編」をお届しました。2回にわたり村上春樹の小説やエッセイに登場する音楽の特集です。

1曲目
「California Girls」The Beach Boys (1965)

高山が最も好きな村上作品は、第一作目の「風の歌を聴け」です。舞台は1970年の夏ですが、その時代の空気感を表わす小道具としての音楽を代表して、この曲を選びました。あわせて、翻訳本の紹介、「やれやれ」という諦観を前面に出し、学生運動が盛んだった時期に政治思想と距離を置く「僕」のスタンスなどを時代背景を絡めて解説しました。また実在しない小説家や曲を登場させて読者をけむに巻く技などにも触れました。

2曲目
「Spirit In The Sky」Norman Greenbaum (1970)

そうした中で、ちょいと無理があるのではという観点から、この曲を登場させた背景などを推察しながらご紹介したのが、日本ではまったくと言っていいほど売れていないノーマン・グリーンバウムの「スピリット・イン・ザ・スカイ」でした。

3曲目
「hungry Heart」Bruce Springsteen (1980)

ボブ・ディランに代表される60年代的価値観をひきずる存在としての村上春樹と時代の変化、ポスト・パンクの労働者階級の代弁者たるスプリングスティーンなどを解説しました。80年代のポストモダンに対するカウンターカルチャー的存在を代表しての選曲です。

4曲目
「Allen Town」Billy Joel (1982)

時代の空気感としての「憂鬱」を代弁させたのがビリー・ジョエルでした。ヴェトナム戦争後の憂鬱を抱えたアメリカや、不況にあえぐ労働者階級の憂鬱といったものを代弁させているという解釈です。

5曲目
「The Theme From A Summer Place 夏の日の恋」Percy Feith Orchestra (1959)

古い音楽への造詣が深いことは周知の事実ですが、ジャズは次回に回すとして、イージー・リスニングも「価値がない」と言いつつしょっちゅう登場するので、実は結構聴いているのではということでご紹介しました。短編「女のいない男たち」の中で、「エレベーター音楽」と称して触れています。

6曲目
「Ingrid Bergman」Billy Bragg with Wilco (1998)

失われゆく60年代的価値観への憧憬とか拘りが、ある意味一定年齢以上の読者が楽しめる工夫にもなっている部分を解説しました。雑誌「an an」に連載されたエッセイを集めた「村上ラヂオ」でREMやウィルコがお好きということも触れているので、ウディ・ガスリーの未発表詩に曲を付けたこの曲をご紹介しました。

7曲目
「Little Red Rooster」The Rolling Stones (1964)

8曲目
「Beat Goes On」Sonny & Cher (1967)

その一方で、ローリング・ストーンズの扱いが非常に軽いということについてもご紹介しました。短編「TVピープル」では死体を埋めるシーンで口ずさんでいたりします。人気作「1Q84」でも「深く思索したり真剣に記憶を掘り起こすときには向かない」ということで触れられていたりします。そこで「1Q84」に登場する「リトル・レッド・ルースター」と、同作の中で重要な位置づけで登場するソニー&シェールの「ビート・ゴーズ・オン」を続けてご紹介しました。

9曲目
「Like A Rolling Stone」Bob Dylan & The Band (1974)

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の中では、悲惨な状況の主人公が実に淡々としていて、日本的ハードボイルドだと紹介しております。カーステレオから流れてくる「ライク・ア・ローリング・ストーン」が笑えるほどマッチしています。さびの部分の歌詞「How Do You Feel? どんな気がする?」と繰り返されるわけですから。実に上手いというわけです。

10曲目
「Norwegian Wood」The Beatles (1965)

11曲目
「Close To You 遥かなる影」Carpenters (1972)

高山は「ノルウェイの森」は国際的評価も高いことからも分かるように、ストーリーが分かり易く、既視感が薄いので好きではないと番組内では述べております。それでも、この辺をかけないとクレームがくるかということで、ビートルズの「ノルウェイの森」と直子を追悼するシーンで登場するカーペンターズ「遥かなる影」をかけました。

12曲目
「New York Mining Disaster 1941 ニュー・ヨーク炭鉱の悲劇」The Bee Gees (1967)

短編集のタイトルにジャズのスタンダード・ナンバーを持ってくることが多いのですが、ビー・ジーズの曲のタイトルもあります。実にシュールな短編小説の内容とマッチしており、上手く使われていると紹介しております。

13曲目
「Drive My Car」The Beatles (1965)

ラストは、やはり氏の短編を原作とした映画がアカデミー賞を受賞しましたから、これをかけないわけにはいかないでしょうということでエンディングはこれとなりました。

次回は「村上春樹の音楽」第2回ジャズ編です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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