【執刀医解説】望んでいた形ではなかった鼻を、どう戻すか:延長部亜全摘という一つの選択
初診時
1ヶ月前に韓国で以下の手術を受けた後、鼻全体の高さおよび形態に強い違和感を覚え、「元の鼻に戻したい」との希望で来院されました。
・鼻骨骨切り幅寄せ術
・鼻根~鼻背部 I型シリコンプロテーゼ留置術
・鼻中隔軟骨採取による鼻中隔延長術
・鼻翼基部シリコンプロテーゼ留置術(いわゆる貴族プロテーゼ)
・軟骨による猫手術(と説明を受けていた)
CT検査所見
鼻根~鼻背に留置されたシリコンプロテーゼは、鼻根部で約3mm、鼻尖側で約5mmの厚さを有していました。鼻中隔延長により鼻尖が挙上されているため、それに合わせて鼻尖側が厚く設計されたプロテーゼと考えられました。
鼻翼基部シリコンプロテーゼは両側とも約4.5mmの厚さであったものの、右側は骨面から離れており、左側よりも口腔側に偏位していました。そのため右側プロテーゼは口腔内から触知可能な状態でした。
通常、プロテーゼは梨状口縁に接するように留置されますが、骨形態に左右差がないにもかかわらず非対称に留置されており、その理由は不明でした。
手術方針
患者様は鼻尖の硬さおよび可動性の低下も強く訴えており、延長部の全摘を希望されました。
しかし鼻腔内および内視鏡所見では鼻中隔軟骨が大きく採取されており、支持性の観点から延長部の亜全摘を提案しました。
修正手術内容
初回手術から60日後、全身麻酔下に修正手術を施行しました。
・鼻根~鼻背部 I型シリコンプロテーゼ摘出
・鼻中隔延長部 亜全摘
・左右下外側鼻軟骨修正術(耳珠軟骨移植)
・鼻尖部 耳珠軟骨移植術
・両側鼻翼基部シリコンプロテーゼ摘出
※なお、術前に説明されていた「猫手術」に該当する所見は認められませんでした。
術前・術後画像





術後経過
術後感染は認めず、術後6日目に鼻部および耳珠部の抜糸を行いました。
術後1ヶ月時点で、鼻孔縁の挙上を自覚されていましたが、鼻部に浮腫を認めており、経過観察としました。浮腫によりアップノーズ様に見えることがあります。
術後5ヶ月では浮腫が軽減し、鼻孔縁の位置に対する違和感は軽快しました。
術後8ヶ月では、鼻孔縁に軽度の左右差を認めたものの、患者様は自覚的に問題ないとのことでした。
延長部は亜全摘であったため、鼻尖の左右方向の可動性は良好に保たれていましたが、上下方向の可動性にはやや制限が認められました。ただし日常生活や表情形成に支障はありませんでした。
まとめ
この症例は、「足せば良くなる」という考えが必ずしも正しくないことを示しています。
鼻中隔延長、シリコンプロテーゼ、鼻翼基部プロテーゼといった複数の手術が組み合わされた結果、鼻は高くなりましたが、その分、不自然さや硬さが目立つ状態となっていました。
修正手術では、単にすべてを取り除くのではなく、「どこを残し、どこを調整するか」を慎重に判断しながら、全体のバランスを整えることが重要になります。
鼻の手術は“足し算”ではなく“バランス”です。
この症例は、その大切さをあらためて示しているといえます。
手術料金
全身麻酔 1,910,000円(税込)
*上記料金は2026年4月時点の正規料金です
*モニター割引があります
手術リスク

銀座すみれの花クリニック
院長 横山才也
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
日本形成外科学会専門医
ホームページ
http://ginza-sumirenohana.com/
